2024年11月9日
労務・人事ニュース
令和5年度の字幕放送実績、NHK総合で100%達成し字幕放送時間は91.7%に拡大
令和5年度の字幕放送等の実績(総務省)
総務省は、令和5年度におけるテレビジョン放送での字幕放送、解説放送、手話放送の実績をまとめました。これは視聴覚障害者や高齢者がテレビを視聴する際の利便性を向上させるための取り組みの一環であり、放送分野における情報アクセシビリティの向上を目指しています。令和5年10月には「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」の改定が行われ、各放送事業者はそれに基づいた施策を進めています。
まず、字幕放送の実績については、NHK総合(放送センター)や在京キー5局の字幕放送割合が100%に達しており、総放送時間に占める字幕放送の割合も前年より上昇しています。特にNHK教育やNHKのBSプレミアムチャンネルでの字幕放送時間の割合が顕著に増加しています。民放キー局や地方の放送局でも、字幕放送の普及が進んでおり、視聴者に向けた情報提供がより充実していることが確認されました。独立系の県域放送局でも、前年比で字幕放送時間が増加しており、地域ごとの対応も改善されてきています。
解説放送に関しても、NHKや在京キー局を中心に進展が見られます。特にNHK教育では解説放送の割合が前年より増加しており、他の主要な民放局でも解説放送時間が伸びています。これにより、視覚障害者がテレビ番組の内容をより深く理解できる環境が整備されつつあります。一方、地方の放送局ではまだ低い割合にとどまっているものの、わずかながら改善が見られました。特に民放キー局系のBS事業者において、解説放送の割合が前年に比べて増加していることは、今後の展望を示しています。
手話放送については、NHK教育が一週間あたり4時間33分の手話放送を行っており、前年比で31分の増加が確認されました。他の主要な放送局でも、手話放送時間が概ね増加傾向にあり、情報アクセシビリティがさらに向上しています。地方局では放送時間にばらつきがあるものの、全体的に改善が見られ、地域に住む聴覚障害者への配慮も進んでいます。
今回の実績調査では、これまでの字幕放送や解説放送、手話放送の普及に加え、さらなる向上が求められる点も浮き彫りとなりました。特に、独立系の県域放送局や一部の地方局における対応の遅れが課題として残されています。しかし、全体としては、字幕放送や解説放送、手話放送が広く普及し、視聴覚障害者や高齢者が安心してテレビを視聴できる環境が整備されつつあることは間違いありません。
総務省は今後も放送事業者と協力し、放送分野における情報アクセシビリティのさらなる向上を目指して取り組んでいく予定です。また、令和5年10月に改定された行政指針に基づき、放送内容のさらなる改善が期待されています。放送事業者はこの指針を遵守し、放送におけるアクセシビリティの拡充に努めることが求められています。
加えて、過去の実績に関する一部訂正も行われ、正確な情報が提供されています。総務省では引き続き、視聴者に向けた透明性のある報告を続けていく方針です。今後も、技術の進展や社会的ニーズに応じて、字幕や解説、手話放送のさらなる普及が進むことが期待されています。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ