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2023年12月29日

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令和5年度の給与増加調査:平均的な一人当たり給料の増加率は3.2%、前年比で1.3%の上昇(厚労省)

令和5年度の給与改定状況 平均9,437円のアップとその影響!

厚生労働省は令和5年に行われた「給与増加に関する実態調査」の結果をまとめて公開しました。

この調査は、日本全国の民間企業における給与の増額、増加率、増額方法などを把握することを目的として、毎年7月から8月にかけて実施されています。

対象となるのは、常勤従業員が100人以上いる民間企業で、令和5年の調査では3,620社が選ばれ、1,901社から有効な回答が得られました。

​1. 給与の改定状況
(1)給与改定を実施した企業の割合
「平均給与を増やした・増やす」企業の割合は89.1%(前年度は85.7%)
(2)平均給与の改定額(予定を含む)は9,437円(前年は5,534円)
改定率(予定を含む)は3.2%(前年は1.9%)
(注)平均給与とは、所定内給与(諸手当を含むが、残業手当や特別手当を含まない)の1ヶ月あたりの1人当たり平均額のこと。

2. 定期昇給等の実施状況
(1)給与改定を実施または予定している企業と、実施しない企業における定期昇給の状況
定期昇給を「行った・行う」企業の割合
管理職は71.8%(前年度は64.5%)
一般職は79.5%(前年度は74.1%)
(2)ベースアップ(基本給の増額)の状況
ベースアップを「行った・行う」企業の割合
管理職は43.4%(前年度は24.6%)
一般職は49.5%(前年度は29.9%)

人材獲得の鍵、給与増額による労働市場への影響分析!

厚生労働省の「給与増加に関する実態調査」の結果から、日本の労働市場においていくつかの重要な変化と影響が見受けられます。

  • 給与増加の全体的傾向
    89.1%の企業が給与を増額すると答えており、これは前年の85.7%からの増加を示しています。平均給与の改定額の増加も9,437円と、前年の5,534円から大幅に上昇しています。これは、企業が給与水準を上げることで、より優秀な人材を惹きつけ、また既存の従業員の満足度とモチベーションを高めようとしていることを示唆しています。
  • 定期昇給とベースアップの増加
    管理職と一般職の両方で、定期昇給を行ったり行う予定の企業の割合が増加しています。特にベースアップ(基本給の増額)を行う企業の割合が、管理職で43.4%、一般職で49.5%となり、前年度と比較して大幅に増加しました。これは、従業員の基本給を安定的に増加させることで、長期的なキャリアパスと所得の安定を図ろうとする企業の姿勢が反映されています。
  • 労働市場への影響
    これらの結果は、日本の労働市場においてより競争的な給与設定が進行していることを示しており、企業間の人材獲得競争が激化する可能性があります。また、給与増加は従業員の生活水準の向上に寄与し、経済全体の消費活動を刺激する可能性があります。
  • 従業員のキャリアと職場満足度への影響
    安定的な給与増加と定期昇給は、従業員が職場において長期的なキャリアを築くための動機付けとなります。また、給与の増加は従業員の職場満足度を向上させることが期待され、これが離職率の低下や労働生産性の向上に繋がる可能性があります。

このように、厚生労働省の調査結果は、日本の労働市場における給与の動向が従業員、企業、そして経済全体に及ぼす影響を幅広く示しています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ