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2024年10月4日

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令和5年度ゴルフ場における農薬使用の水質調査結果公表、全国1,730か所のゴルフ場で水産指針値超過事例が7件発生

ゴルフ場で使用される農薬に係る令和5年度水質調査結果について(環境省)

2024年9月24日、環境省は令和5年度に実施されたゴルフ場で使用される農薬に関する水質調査の結果を発表しました。この調査は、全国の都道府県などが行ったもので、ゴルフ場から排出される水の農薬濃度を調べたものです。

令和5年度の調査では、1,730か所のゴルフ場を対象に、合計36,244件の水質サンプルが採取されました。調査の結果、ゴルフ場の排水口からのサンプルでは、水質汚濁防止のために定められた基準を超える事例は確認されませんでした。しかし、7件の事例において、環境保護の観点から定められた水産指針値を超過するケースが見つかりました。

環境省はゴルフ場での農薬使用の適正化を進めており、水質汚濁を防止するための指針値や、生態系保全のための水産指針値を設けています。これらの基準は、ゴルフ場が使用する農薬が環境に及ぼす影響を最小限に抑えるために定められており、地方公共団体がゴルフ場の管理者に対し、指導を行う際の基準となっています。さらに、令和2年3月には、農薬の適正使用と環境保全を促進するための「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水域の生活環境動植物の被害防止に係る指導指針」が策定されました。この指針に基づき、全国の都道府県などが調査と指導を行っています。

今回公表された令和5年度の調査結果では、全47都道府県で調査が実施され、昨年よりも少ない1,730か所のゴルフ場が対象となりましたが、総検体数は昨年度の34,999件から36,244件に増加しています。特に排水口からの検体数は昨年の9,083件から9,740件に増えました。また、排水口から採取されたサンプルのうち、水濁指針値を超えるケースは一件もありませんでしたが、水産指針値を超過したケースは昨年度の8件から7件に減少しました。

なお、この調査で使用された指針値は令和6年2月2日時点の基準に基づいて評価されています。

今回の調査結果を受け、環境省は水産指針値を超過した事例が確認された都道府県に対し、ゴルフ場関係者に対して農薬使用に関する再度の注意喚起を行うよう求める方針です。また、複数の農薬については、検出限界値が指針値を上回っているため、基準を超過しているかどうかの判断ができない事例が依然として存在することが明らかになりました。そのため、このような事例が見られた都道府県には、分析の際に検出限界値に特に注意するよう再度要請することとしています。

この調査結果からも分かるように、環境省は引き続きゴルフ場での農薬使用に関する管理を厳格化し、地域の水質や生態系への影響を最小限に抑えるための対策を講じています。農薬使用がもたらす環境へのリスクは、ゴルフ場に限らず広く農業や都市部でも問題視されており、今後もさらなる調査や監視が必要です。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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