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2024年9月20日

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令和5年度調剤医療費、総額8兆2,678億円で前年比5.5%増加!

調剤医療費(電算処理分)の動向~令和5年度版~(厚労省)

令和5年度の調剤医療費に関するデータは、全国の薬局や病院で処方される薬剤の使用状況を詳細に把握するための重要な資料です。厚生労働省は、毎年この調査を実施し、医療費の動向や薬剤の使用状況を集計・分析しています。このデータは、医療保険行政における政策立案や予算編成において重要な役割を果たします。

令和5年度の調剤医療費(電算処理分)は、総額8兆2,678億円で、前年度比で5.5%の増加を示しました。処方箋1枚当たりの調剤医療費は9,343円で、前年に比べ0.5%減少しています。これは、技術料や薬剤料、特定保険医療材料料などの各項目の変動によるものです。特に、技術料が2兆2,474億円(伸び率5.7%)、薬剤料が6兆41億円(伸び率5.5%)と、いずれも前年度を上回る数値となっています。

年齢別に見ると、調剤医療費は年齢が高くなるほど増加する傾向が顕著です。最も医療費が高かったのは80歳以上85歳未満の年齢層で、1枚当たりの費用は10,964円に達しています。一方で、0歳以上5歳未満の年齢層では3,470円と、約3.2倍の差が見られます。このデータは、医療費の負担が高齢者層に集中している現状を如実に示しています。

後発医薬品の割合も注目すべき点です。令和5年度末の後発医薬品割合は、数量ベース(新指標)で85.3%、薬剤料ベースで19.7%となり、後発医薬品の調剤率は81.3%に達しました。特に、循環器官用薬や中枢神経系用薬での後発医薬品の使用が多く、医療費の削減に寄与しています。しかし、後発医薬品の使用割合が最も低かったのは泌尿生殖器官および肛門用薬で、伸び率もマイナスとなっています。

内服薬の処方箋1枚当たり薬剤料は5,334円で、その内訳は薬剤の種類数や投薬日数、1種類1日当たり薬剤料により細かく分解されています。例えば、内服薬の処方箋1枚当たり薬剤種類数は2.79、1種類当たりの投薬日数は27.0日、1種類1日当たりの薬剤料は71円となっています。これにより、内服薬の使用状況がより詳細に把握でき、薬剤費の適正化に向けた施策の参考となります。

また、薬効分類別に見ると、その他の代謝性医薬品や循環器官用薬が最も多く処方されており、特に化学療法剤の使用が大幅に増加しています。ビタミン剤や高脂血症用剤など一部の薬剤では、処方量が減少していますが、全体としては新しい治療法や薬剤の導入により、薬剤使用の変動が見られます。

このように、令和5年度の調剤医療費データは、今後の医療費削減や医薬品使用の効率化に向けた施策の基礎資料として、非常に重要な役割を果たしています。特に、高齢者層への医療費負担の集中や後発医薬品の普及促進が、今後の政策課題として浮き彫りになっています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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