2024年7月6日
労務・人事ニュース
令和5年度調査で判明、遺伝子組換えセイヨウナタネの生育範囲に変化なし、生物多様性への影響も確認されず
令和5年度遺伝子組換え植物実態調査の結果について
農林水産省は、令和5年度に実施した遺伝子組換え植物の実態調査の結果を発表しました。この調査は、セイヨウナタネやダイズなどの輸入港周辺地域で、遺伝子組換え作物の生育状況とその近縁種との交雑の有無を確認することを目的としています。
今回の調査では、過去の調査結果と同様に、輸送中にこぼれ落ちた種子から育ったと考えられる遺伝子組換えセイヨウナタネが確認されました。しかし、組み換えられた遺伝子が近縁種に拡散したり、生育範囲が広がったりする事例は見られませんでした。そのため、遺伝子組換えセイヨウナタネやダイズが生物多様性に影響を与える可能性は低いと考えられています。
調査は、遺伝子組換え生物の使用に関する法律に基づいて行われ、平成18年度からはセイヨウナタネとその近縁種、平成21年度からはダイズとツルマメを対象にして実施されています。令和5年度は、ナタネ類について7港、ダイズ及びツルマメについては1港で調査を行い、陸揚げ地点から5kmの範囲で葉を採取・分析しました。
調査結果では、7港で遺伝子組換えセイヨウナタネが計65群落(76個体)生育していましたが、生育範囲の拡大は確認されませんでした。また、遺伝子組換えセイヨウナタネと周囲のセイヨウナタネの交雑率は、自然の範囲内であり、拡散の兆候は見られませんでした。遺伝子組換えダイズは確認されず、生育範囲の拡大も見られませんでした。
この結果から、令和5年度の調査でも、遺伝子組換えセイヨウナタネ及び遺伝子組換えダイズが生物多様性に影響を与えるおそれはないと結論付けられました。農林水産省は、この調査を令和6年度以降も継続し、遺伝子組換え作物が我が国の生物多様性に与える影響についての科学的知見を充実させていく方針です。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ