2025年1月13日
労務・人事ニュース
令和5年10月時点で212.6万人に減少した介護職員の推移
介護職員数の推移の更新(令和5年分)について(厚労省)
令和6年12月25日に発表された「介護サービス施設・事業所調査」によると、令和5年10月1日時点の介護職員数は約212.6万人で、前年と比較して約2.9万人の減少が見られました。この統計は、介護保険給付の対象となる施設や事業所に従事する介護職員を対象としています。介護職員数が減少傾向にあることは、今後の介護サービスの提供にとって深刻な課題であることを示しています。
政府は、このような状況を踏まえ、介護職員の確保に向けた包括的な対策を進めています。まず、介護職員の処遇改善が挙げられます。具体的には、賃金の引き上げや労働環境の改善が進められており、これによって職員の負担を軽減し、働きやすい職場を作り上げることを目指しています。また、幅広い人材を確保するため、多様な層を対象とした育成プログラムの充実が進められています。若年層のみならず、シニア世代や女性、さらには外国人材にも焦点を当て、職業訓練や教育機会を提供しています。
さらに、離職防止と定着促進にも力が注がれています。介護職員が長期間働き続けられるように、職場環境の見直しやサポート体制の強化が図られています。この取り組みにより、職業としての魅力を高め、介護の分野における人材流出を防ぐことが期待されています。加えて、介護職の魅力を向上させる取り組みも重要です。職業の社会的価値を認識させるための広報活動や、キャリアアップの機会を提供するプログラムが展開されています。
また、外国人材の活用にも注目が集まっています。技能実習生や特定技能制度を活用することで、外国人介護人材の受け入れを積極的に進めています。同時に、彼らが日本でスムーズに働けるよう、受け入れ体制の整備や日本語教育の充実が図られています。
このような一連の対策は、介護分野の人材不足を解消し、サービスの質を向上させることを目的としています。しかし、最新の統計が示すように、現状は依然として厳しい状況が続いており、さらなる取り組みが求められます。介護人材の確保は、介護サービスの質を保つだけでなく、地域社会全体の福祉の向上にも直結する重要な課題です。政府、自治体、事業者、地域住民が一体となって取り組むことが必要不可欠であり、今後の取り組みの成果が期待されます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ