2024年9月3日
労務・人事ニュース
令和6年の岩手県内労働災害発生件数665件、前年同期比11.3%減少の背景
令和6年1月~7月分の労働災害発生状況(速報値)を公表します(岩手労働局)
令和6年1月から7月までの岩手県内の労働災害の発生状況について、岩手労働局が発表した内容を基に、企業の採用担当者向けに詳述します。この期間中、県内全業種における労働災害による死傷者数は665人で、前年同期比で85人(11.3%)減少しました。これは、労働災害防止に向けた取り組みの成果が一部反映されたものと考えられますが、依然として労働災害は重要な課題であることに変わりありません。また、死亡者数は前年同期比で3人増加し、7人に達しています。
業種別に見ると、畜産水産業での死傷者数が40人で前年同期比33.3%増加しており、特に目立っています。また、農林業でも同様に死傷者数が33人となり、22.2%の増加を記録しています。一方で、保健衛生業では死傷者数が79人で、前年同期比25.5%減少しており、労働環境の改善が進んでいることがうかがえます。
事故の型別に見ると、最も多く発生しているのは「転倒」によるもので、全体の28.3%を占めています。特に、50歳代以上の労働者が約8割を占めており、エイジフレンドリーガイドラインに基づいた対策が急務であることが浮き彫りになっています。また、「墜落・転落」も全体の14.1%を占めており、特に建設業や農林業での事故が目立ちます。これらの事故は、作業環境の改善や労働者への安全教育の徹底が求められます。
さらに、例年8月に最も多く発生する熱中症による労働災害についても注意が必要です。気象庁の予測によると、引き続き高温傾向が続く見込みであり、「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の展開を通じて、企業は労働者の健康管理に一層の注意を払う必要があります。
新型コロナウイルス感染症による労働災害についても言及する必要があります。この期間中、新型コロナウイルスに関連する労働災害は190件発生し、前年同期比12.4%減少しましたが、感染症対策の継続的な取り組みが求められます。
企業の採用担当者にとって、これらの労働災害データは単なる統計に留まらず、労働環境の改善やリスク管理の重要性を再認識させるものであり、特に安全な職場環境の整備が優秀な人材の確保に直結することを理解する必要があります。労働災害の発生状況を踏まえ、適切な安全対策を講じることで、企業の信頼性を高め、働きやすい職場環境を提供することが可能となります。
⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ