2024年8月23日
労務・人事ニュース
令和6年の東京都最低賃金が50円アップ!最低賃金が1,163円へ!
東京都最低賃金の50円引上げを答申(東京労働局)
東京都最低賃金が引き上げられることが決定されました。この決定は、東京地方最低賃金審議会が東京労働局長に対して行った答申に基づいています。今回の改正では、最低賃金が現行の1,113円から50円引き上げられ、1,163円になります。この引き上げ率は4.49%であり、改定の効力は令和6年10月1日から発生する予定です。中央最低賃金審議会が示した目安額通りの改定となっており、東京都内のすべての事業場で働く労働者とその使用者に適用されます。これには常用、臨時、パートタイマー、アルバイトなどの属性、性、国籍、年齢を問わず、すべての労働者が含まれます。
東京都の最低賃金改定は、過去10年間においても着実に行われてきました。平成26年には時間額888円から始まり、毎年のように引き上げられ、令和5年には1,113円まで上昇してきました。引き上げ率も年ごとに異なりますが、2%以上の上昇が続いており、令和元年以降では特に顕著です。令和2年は新型コロナウイルスの影響もあり、引き上げがなされなかった年ですが、それ以外の年は着実な上昇が見られます。今回の改定では、労働者の生活を支えるための重要なステップとなるとともに、企業側にも賃金引上げへの対応が求められることになります。
企業の採用担当者にとって、最低賃金の改定は大きな関心事であり、経営戦略に直接的な影響を与えます。特に中小企業や小規模事業者にとっては、賃金の引上げが経営負担となるケースも少なくありません。このような状況に対処するために、厚生労働省では業務改善助成金などの支援策を実施しています。この助成金は、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた企業に対し、生産性向上を図るための設備や機器の導入経費の一部を助成するもので、賃金引上げによる経済的な負担を軽減することが目的です。
また、「東京働き方改革推進支援センター」では、最低賃金の引上げに伴う影響を受ける企業へのサポートを提供しています。ここでは、専門家が賃金引上げや非正規労働者の処遇改善、労働時間の短縮、人手不足の緩和などの取り組みについて、電話やメール、対面や訪問といった形で相談に応じています。さらに、出張相談会やセミナーも開催されており、企業が直面する課題に対して具体的な支援を行っています。
最低賃金の引上げは、労働者にとっては賃金の増加という直接的な恩恵がある一方で、企業側には新たなコスト負担が発生するため、適切な対応が求められます。企業がこの変化に対応するためには、業務改善や生産性向上を図ることが重要であり、そのための支援策を活用することが奨励されています。今回の東京都の最低賃金改定は、全体として経済の安定と成長を目指した取り組みであり、労使双方にとって大きな影響を及ぼすものとなるでしょう。
⇒ 詳しくは東京労働局のWEBサイトへ