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2024年5月20日

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令和6年度、日本国内の食品寄附実態と法的課題に関する総合調査 60万トンの未利用食品と1万トンの取扱量のギャップを解明

日本における食品寄附に係る実態等についての調査業務(消費者庁)

令和6年3月に、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した「日本における食品寄附の現状と課題に関する調査報告書(概要版)」が公表されました。この報告書は、消費者庁の依頼によるもので、食品ロスの削済みと持続可能な食品供給システムの確保を目的としています。

報告書によると、食品関連事業者からフードバンクなどの中間組織への無償食品提供が進んでいない理由の一つに、提供後に何らかの問題が発生した場合の法的責任や社会的リスクが挙げられています。日本国内で年間約60万トンもの未利用食品が廃棄されているにもかかわらず、フードバンクを通じた食品の取扱量は1万トン程度にとどまっているとのことです。

この調査は、文献調査やヒアリング、アンケート調査を通じて行われました。具体的には、食品ロス削減の取組における国内外の動向を踏まえ、無償での食品提供に関わる法的な問題点を明らかにし、改善策の提案を行っています。アメリカなど他国の事例を参考にしながら、日本でも食品提供者が安心して食品を寄附できるような法整備が求められています。

また、報告書では食品寄附におけるサプライチェーンの整理も行われており、無償で提供される食品の流れや、その際の食品の種類についても詳しく分析しています。フードバンクやフードパントリー、こども食堂などがどのように食品を扱っているかについての実態も明らかにされており、寄附食品の大部分が加工食品である一方で、生鮮食品や冷蔵・冷凍食品の取り扱いは少ないと指摘されています。

今後の施策としては、食品寄附に関わる各種ガイドラインの策定や、寄附者や中間事業者の認定制度の整備が進められることが期待されています。これにより、食品寄附への信頼性向上とともに、食品ロス削減に向けた一層の取り組みが促進されることが望まれます。

この報告書は、日本全国の食品ロス削減と食品寄附促進に向けた重要な指標となり、政策立案者や関連事業者にとって貴重な情報源となるでしょう。

⇒ 詳しくは消費者庁のWEBサイトへ