2024年10月29日
労務・人事ニュース
令和6年度のセメント需要は3,500万トンに!建設業界の資材確保が鍵に
本年度の主要建設資材需要見通しはセメント、生コンクリート、普通鋼鋼材にて増加 ~令和6年度主要建設資材需要見通しを算出~(国交省)
令和6年度の主要建設資材の需要見通しに関する詳細が、国土交通省から発表されました。本発表によると、主要な建設資材のうち、セメントや生コンクリート、普通鋼鋼材の需要が前年度を上回る見通しであることが明らかになりました。これは、建設業界における資材の安定供給を確保し、円滑な事業推進を目的とした取り組みの一環です。
この発表では、令和6年度の建設資材需要見通しが各資材ごとに具体的な数字で示されています。例えば、セメントは前年に比べて1.2%増加し、3,500万トンの需要が見込まれています。また、生コンクリートの需要も1.2%増加し、7,100万立方メートルに達する見込みです。普通鋼鋼材についても1.1%の増加が見込まれ、需要量は1,700万トンと予測されています。
一方で、木材の需要はやや減少し、前年比1.6%のマイナスとなる見込みです。また、アスファルトも3.9%減少する見通しで、90万トンと予測されています。こうした資材の需要は、建設投資見通しと関連しており、国内の建築および土木プロジェクトの進展具合によって影響を受けるものです。
今回の見通しは、国土交通省総合政策局情報政策課の建設経済統計調査室によって発表されました。この見通しを策定する際には、各資材の原単位、つまり工事費100万円あたりに必要となる建設資材の量を基に推計が行われています。こうしたデータに基づいて、業界全体の資材需要を把握し、適切な供給体制を整えることが可能になります。
セメントや生コンクリート、普通鋼鋼材の需要が伸びる背景には、国内の建設投資の増加が影響しています。特に大規模な都市開発プロジェクトやインフラ整備が進行しているため、これらの資材の需要が高まると考えられます。これに対して、木材やアスファルトの需要減少は、建設方法の変化や一部のプロジェクトの減速が要因となっている可能性があります。
さらに、砕石の需要は9,600万立方メートルと推計されていますが、前年との比較データは示されていません。これは、令和4年度より「砕石等動態統計調査」が終了し、砕石のみに絞った推計が行われているためです。砕石は主に土木工事に使用される重要な資材であり、道路建設や河川改修などに欠かせないものです。
このように、令和6年度の主要建設資材の需要は全体的に安定しており、一部の資材で増加が見込まれています。今後も国内の建設業界が順調に進展するためには、これらの資材の適切な供給が重要となります。国土交通省では、こうした需要動向を継続的にモニタリングし、資材供給の円滑化を図る取り組みを強化していく方針です。
また、建設資材の需要増加に伴い、資材価格の動向にも注目が集まっています。特に鋼材やコンクリートなど、価格変動が激しい資材に関しては、需要の高まりが価格にどのような影響を与えるのかが業界内で懸念されています。供給不足が発生した場合、プロジェクトの遅延やコスト増加につながる可能性があるため、建設事業者にとってはこれらの資材の確保が大きな課題となるでしょう。
さらに、今回の見通しでは、環境面への配慮も重要視されています。近年、持続可能な建設を目指す動きが強まっており、資材の再利用や環境負荷の少ない資材の活用が求められています。木材やアスファルトの需要減少は、こうした持続可能性の観点からも説明できるかもしれません。今後、環境に配慮した建設資材の需要がどのように推移していくのかにも注目が集まるでしょう。
このように、令和6年度の主要建設資材需要見通しは、国内建設業界の動向を反映したものであり、資材供給の安定化と建設事業の円滑な推進に向けた重要な指標となっています。今後も国土交通省による需要動向のモニタリングが継続されることで、建設資材の適切な供給体制が維持されることが期待されます。
これらのデータをもとに、企業は今後の建設計画を立てる際に、資材の確保やコスト管理の計画を慎重に進める必要があります。特に大規模なプロジェクトを抱える企業にとって、資材の安定供給がプロジェクトの成否を左右する要因となるため、早期の対策が求められます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ