2024年9月18日
労務・人事ニュース
令和6年度の建設投資見通し発表、総額73兆円超で政府・民間共に堅調な増加
令和6年度(2024年度)建設投資見通し(国交省)
令和6年度(2024年度)の建設投資見通しが発表されました。この見通しでは、建設投資額は前年比で増加すると予測されており、政府投資と民間投資の両方がその増加を支える重要な要因となっています。
まず、2024年度の総建設投資額は、前年度比で2.7%増加し、約73兆200億円に達する見込みです。この増加は、政府の積極的な公共事業投資と、民間の非住宅建設投資の増加が主な要因とされています。政府投資は、前年からの3.7%増となり、25兆2,700億円に達すると予想されています。公共事業の割合が高く、特にインフラ整備や防災対策に重点が置かれる見通しです。
民間投資に関しては、2024年度も引き続き堅調な増加が見込まれており、前年比2.2%増の約48兆6,100億円になると予測されています。特に注目されるのは、民間非住宅建設投資の増加で、これは商業施設やオフィスビル、工場などの建設活動が活発化することによるものです。具体的には、非住宅建設投資が前年比4.0%増加し、約14兆9,200億円に達する見込みです。さらに、民間建築補修(改装・改修)投資も堅調に推移し、前年比3.2%増の約15兆1,500億円に上るとされています。これらの数字は、建物の老朽化に伴う改装需要の増加や、エネルギー効率向上のためのリノベーション活動が活発化することを示しています。
一方で、住宅建設投資に関しては、わずかに減少する見通しです。2024年度の民間住宅建築投資は前年比0.7%減の約17兆1,400億円となる見込みです。この減少は、人口減少や少子高齢化が進行する中で、新規住宅の需要が縮小していることが主な要因と考えられています。ただし、都市部における高層住宅やスマートハウスの需要は一定数維持されており、地域ごとの需給バランスの違いが見られます。
建設投資の内訳をさらに詳しく見ると、政府による非住宅建設投資は前年比3.9%増加し、約4兆2,900億円に達する見込みです。これは、政府が進めるインフラ整備や公共施設の建設、また防災や環境対策に関連するプロジェクトが寄与しています。また、公共事業全体では前年比3.7%の増加が予測されており、特に災害対策や老朽化インフラの更新が重要なテーマとなっています。
民間における土木投資も、前年から5.1%増加し、約7兆2,200億円に達すると見込まれています。これには、物流網の整備や都市開発プロジェクト、さらには再生可能エネルギー関連のインフラ投資が含まれます。また、民間非住宅建設投資は、商業施設や工場の建設に対する需要が引き続き堅調であるため、全体の建設投資を支える大きな要因となっています。
これらの投資見通しは、政府が掲げる経済成長戦略や、企業の生産性向上を支援するための政策と密接に関連しています。特に、インフラ整備の強化や持続可能な開発への投資は、今後の日本経済の発展に不可欠であり、これらの投資が地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。
建設投資の動向は、企業の経営戦略にも大きな影響を与えます。建設業界においては、これらの投資見通しを基に、今後の事業計画や人材採用の方針を見直す必要があるでしょう。また、サプライチェーン全体においても、建設資材の需要や流通量の増加が予測されるため、関連業界にも広範な影響が及ぶことが予想されます。
以上のように、令和6年度の建設投資見通しは、政府と民間の双方が積極的に投資を行うことで、全体として堅調な成長が見込まれています。特に、非住宅建設や建築補修への投資が増加する中で、建設業界におけるビジネスチャンスは広がりを見せています。これらの動向を踏まえ、各企業は、経済環境の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を目指すことが求められます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ