2024年12月15日
労務・人事ニュース
令和6年度夏の星空観察507件のデータが示す夜空の明るさの実態とは
令和6年度夏の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果について(環境省)
環境省は、令和6年度夏の星空観察プログラムの一環として実施した、デジタルカメラを用いた夜空の明るさ調査の結果を公表しました。この調査は、光害や大気汚染に対する意識を高めると同時に、美しい星空を地域資源として活用する可能性を広げることを目的としています。平成30年度から始まったこの取り組みは、夏と冬の2回実施され、参加者が肉眼で星空を観察するとともに、デジタルカメラを用いて夜空の明るさを測定する方法を採用しています。
今回の夏期観察では、令和6年8月24日から9月6日までの期間にわたり、日没後1時間半から3時間半の間に天頂付近を撮影した画像を基に、夜空の明るさを「等級(マグニチュードパー平方秒角)」の単位で算出しました。この数値が大きいほど夜空が暗く、星が見えやすい環境であることを示しています。全国の参加者が報告サイトを通じて提出した画像データを解析し、夜空の状態を数値化することで、地域ごとの光害や大気環境の状況を評価しています。
令和6年度の夏期観察では、507件のデータが投稿され、そのうち471件が有効データとして採用されました。さらに、平成30年度から継続的に観察を行っている登録地点からは、148地点のデータが集まりました。これらの地点では、92の団体および56名の個人が調査に参加し、継続的な観察データの蓄積が行われています。こうした継続観察地点の登録数は、平成30年度夏の91地点から年々増加し、令和6年度夏には394地点に達しています。
調査結果によると、夜空の明るさは地域ごとに異なり、農業地域や森林山間地、自然公園などの環境では暗い夜空が維持されている一方で、住宅地や商業地域、都市部では光害の影響が顕著に見られました。具体的には、夜空の明るさが21等級以上の最も良好な状態が111件報告され、そのうちの60件が継続観察地点からの投稿でした。これに対し、17等級未満の都市部に該当する明るさの報告は16件にとどまりました。
環境省は、この調査の継続により地域ごとの光害の状況を把握し、データを活用して光害防止や環境保全に関する意識向上を図ることを目指しています。また、星空を観光資源や教育ツールとして活用することで、地域活性化への貢献も期待されています。調査結果の詳細は、環境GISプラットフォームを通じて公開されており、一般の閲覧者が全国の夜空の状態を確認することが可能です。
このように、星空観察を通じた取り組みは、科学的な観点だけでなく、地域社会への貢献や環境意識の向上にもつながる重要な活動として注目されています。今後も継続的なデータ収集と啓発活動を通じて、美しい星空を次世代に継承していくことが期待されます。
⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ