2024年12月22日
労務・人事ニュース
令和6年度第2四半期の建築リフォーム市場、総受注高3兆4,147億円で6.0%減少
建築物リフォーム・リニューアル調査報告(令和6年度第2四半期受注分)(国交省)
令和6年度第2四半期の建築物リフォーム・リニューアル工事に関する調査報告によると、建設業者5,000社を対象に行われた調査結果が明らかになりました。総受注高は3兆4,147億円で、前年同期比6.0%減少しました。特に住宅関連の工事では1兆132億円と10.1%の減少、非住宅建築物では2兆4,015億円で4.2%減少しています。これらの数値は、リフォームやリニューアル市場が全体的に縮小傾向にあることを示しています。
住宅関連の工事では、増築工事が147億円と14.6%増加した一方、一部改築工事が191億円で61.4%と大幅に減少しました。また、改装・改修工事は8,474億円で3.0%減少、維持・修理工事は1,320億円で31.1%の減少となりました。これらの変化は、建築需要の多様性と経済状況が住宅分野に与える影響を反映しています。一方、非住宅建築物においては、増築工事が850億円で22.9%減少、一部改築工事は525億円でほぼ横ばいとなりました。改装・改修および維持・修理工事の総計では2兆2,640億円と3.4%減少しています。
用途別では、住宅分野では木造一戸建て住宅が4,575億円で14.8%減少し、共同住宅では4,308億円で7.5%減少しました。一方、非住宅建築物では生産施設(工場・作業場)が3,334億円で13.4%増加し、事務所用途では3,108億円で32.6%減少しました。これらのデータは、産業用施設の需要が堅調である一方、オフィス市場が厳しい状況にあることを示唆しています。
発注者別に見ると、住宅分野では「個人」が主な発注者で、6,330億円と13.0%減少しました。「管理組合」が続き、1,806億円で10.6%減少しています。非住宅建築物では、「民間企業等」が1兆7,997億円と1.0%の微増となり、「公共」部門は5,300億円で13.3%減少しました。これにより、民間セクターの投資意欲が依然としてある一方で、公的資金による工事は減少傾向にあることが分かります。
工事の目的別では、住宅分野では「劣化や壊れた部位の更新・修繕」が996,655件で41.1%減少し、「省エネルギー対策」が84,607件で3.9%増加しました。非住宅建築物でも同様に、「劣化や壊れた部位の更新・修繕」が565,449件で13.7%減少しましたが、「省エネルギー対策」は32.4%減少しており、エネルギー効率向上の取り組みが停滞していることがうかがえます。
また、工事部位別では、住宅では「給水給湯排水衛生器具設備」が365,927件で23.9%減少し、「内装」が223,676件で47.9%減少しました。非住宅建築物では、「電気設備」が146,045件で24.5%減少し、「空気調和換気設備」は137,513件で5.3%減少しています。これらのデータは、建築物のメンテナンスや設備更新が引き続き重要である一方で、全体的な需要が減少していることを示しています。
今回の調査結果から、日本の建築リフォーム市場が直面する課題が浮き彫りとなりました。特に住宅市場の減少幅が大きいことから、地域住民のニーズを的確に捉えた柔軟な政策や施策が求められます。同時に、非住宅分野では持続可能な社会を実現するための新たな技術やエネルギー効率の高い工法への移行が期待されています。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ