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2025年3月16日

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令和6年度10月の歯科医療費が前年同月比5.6%増加!企業が知るべき医療コストの最新動向

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最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和6年度10月号)(厚労省)

令和6年度10月の歯科医療費に関する最新の調査結果が公表され、日本国内の歯科医療費が前年同月比で5.6%増加していることが明らかになった。この増加の背景には、高齢者人口の増加や歯科治療の高度化が影響していると考えられる。特に、受診延日数の伸び率が1.7%増加し、1日当たりの医療費も3.8%増加しており、全体として歯科医療の利用が拡大していることが確認された。

制度別に見ると、被用者保険の歯科医療費は前年同月比6.7%増加し、後期高齢者医療制度では8.4%増加している。一方で、国民健康保険の医療費は横ばいで、大きな変化は見られなかった。公費負担による歯科医療費も4.4%増加しており、歯科治療に対する公的支援の拡大が進んでいることが分かる。

また、医療機関の種類別に見ると、歯科病院の医療費は10.3%増加し、歯科診療所では5.2%増加した。特に、歯科病院の医療費の伸びが顕著であり、高度な歯科医療への需要が高まっていることが示唆される。地域別に見ると、熊本県の歯科医療費の伸び率が8.4%と全国で最も高く、島根県が3.4%と最も低かった。地域ごとに医療ニーズや提供体制に差があることが分かる。

年齢別に分析すると、95歳以上100歳未満の歯科医療費の伸び率が15.3%と最も高く、一方で70歳以上75歳未満の歯科医療費は2.9%減少している。これは、高齢者の中でも特に超高齢者層の歯科治療の需要が増していることを示している。歯周病や虫歯治療の増加が要因の一つと考えられる。

歯科疾病別に見ると、歯周炎などの治療費は5.7%増加し、歯肉炎の治療費は8.1%増加した。虫歯の治療費も4.0%増加しており、補綴(歯の補綴治療)関連の医療費も1.2%増加している。特に、根尖性歯周炎(歯根膜炎)などの治療費も0.4%増加しており、歯科疾患全般の治療費が増えていることが分かる。

診療内容別では、歯冠修復および欠損補綴の治療費が2.8%増加し、処置に関する医療費は9.5%増加している。さらに、医学管理の費用が4.0%増加し、検査・病理診断費も7.8%増加した。初診の費用は1.3%増加しており、新規の患者が増えていることが示されている。

歯科用貴金属の価格変動も歯科医療費の増加に影響を与えている。歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金12%以上のJIS適合品)の医療費は5.3%減少したが、一方で歯科鋳造用銀合金(銀60%以上インジウム5%未満のJIS適合品)の医療費は8.0%増加している。これにより、補綴治療のコストに変動が生じていることが分かる。

このような歯科医療費の増加は、企業の採用市場にも影響を与える可能性がある。特に、歯科医療従事者の需要が高まっており、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の人材確保が重要な課題となっている。また、医療DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴い、歯科診療のデジタル化が進んでおり、ITを活用した診療支援の需要も増加している。これにより、歯科業界においてもデジタル技術に精通した人材の必要性が高まっている。

企業においても、従業員の歯科健康管理の重要性が増している。特に、歯周病は全身の健康にも影響を及ぼすため、企業が従業員向けの歯科検診を強化することが求められている。定期的な歯科検診を促進することで、従業員の健康維持と生産性向上につながる可能性がある。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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