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2025年2月14日

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令和6年度9月の医療費は3.9兆円、前年比1.1%減!

最近の医療費の動向-MEDIAS- 令和6年度9月 最近の医療費の動向[概算医療費]

最新の医療費データによると、令和6年度9月の概算医療費は3.9兆円となり、前年同月比で1.1%減少した。一方で、令和6年度の4月から9月までの医療費総額は23.7兆円となり、前年同期比では1.0%増加している。この伸び率は、令和5年度の2.9%と比較すると鈍化しており、医療費全体の増加が緩やかになっていることを示している。

1日当たりの医療費については、9月の対前年同月比で1.2%増加し、4月から9月の期間では前年同期比で0.7%の上昇が見られた。これは令和5年度の0.8%の増加率とほぼ同程度であり、医療費の増加が一定の範囲内にとどまっていることを示している。しかし、受診延べ日数の減少がこの傾向に影響を与えている可能性がある。9月の受診延べ日数は前年同月比で2.3%減少し、4月から9月の期間ではわずかに0.3%増加した。これは令和5年度の2.0%増加と比較すると低い水準であり、受診行動の変化が表れている。

診療種類別の動向では、医科入院の医療費が9月には1.7%増加し、4月から9月では1.8%増加した。一方で、医科入院外の医療費は9月に4.8%減少し、4月から9月で1.1%減少した。歯科の医療費は9月に2.5%増加し、4月から9月で3.2%増加した。調剤の医療費は9月に3.1%減少したものの、4月から9月の期間では1.2%増加している。

受診延べ日数の減少は特に外来診療において顕著であり、医科入院外の減少と相関している可能性がある。この変化はオンライン診療の普及や、患者の自己管理意識の向上による不要不急の受診控えが影響していると考えられる。一方で、医科入院の医療費が増加していることから、重症患者の増加や入院期間の延長が影響している可能性がある。また、歯科診療の増加も注目される点であり、歯科医療へのアクセスが改善されていることが示唆される。

調剤費用の減少も重要なポイントである。ジェネリック医薬品の普及や、薬剤費の抑制策が奏功している可能性がある。政府が進める薬剤費削減政策や、薬局における適正な服薬指導の強化が影響していると考えられる。ただし、調剤費用が4月から9月の期間では増加しているため、季節要因による影響も考慮する必要がある。特に、夏季には熱中症対策のための薬剤需要が増加することが想定される。

医療費全体の伸び率が鈍化している背景には、受診延べ日数の減少や、医科入院外の医療費の低下が影響している。また、コロナ禍後の受診行動の変化も影響している可能性がある。感染症対策が進み、病院を避ける傾向が継続しているとすれば、今後の医療費の増減にも影響を与えるだろう。さらに、医療機関の経営にも影響を与える可能性があり、特に外来診療に依存するクリニックでは、患者数の減少が収益に影響を与えている可能性がある。

今後の医療費の動向を予測する上で重要なのは、政府の医療費抑制策と、患者の受診行動の変化である。医療費削減の取り組みが進む中で、適正な診療を維持しながら費用を抑えるための政策が求められる。オンライン診療の更なる普及や、AIを活用した診断・治療の最適化が、医療費の抑制に貢献する可能性がある。特に、診療の効率化と患者の利便性向上が両立する形での施策が重要となる。

このような医療費の変動は、企業の採用担当者にとっても重要な情報となる。例えば、従業員の健康管理に関するコストが変動する可能性があるほか、福利厚生の見直しを検討する必要が生じることも考えられる。従業員の医療費負担が増加する場合、企業としての支援体制の強化が求められるかもしれない。今後の医療費の推移を注視しながら、適切な対応策を検討することが必要である。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ