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2024年11月22日

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令和6年調査から見る日本の食育の現状:栄養バランスや地場産物利用の重要性が浮き彫りに

食育に関する世論調査(令和6年7月調査)(内閣府)

「食育に関する世論調査」(令和6年7月実施)は、日本の食育に対する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とすることを目的として実施されました。この調査は、18歳以上の日本国籍を持つ者を対象に行われ、調査期間は令和6年7月25日から9月1日までの約1か月間にわたりました。回答者数は1,656人で、有効回収率は55.2%でした。調査項目は、「食に関する話題」「こどもに対する食育の取り組み」「食育の取組への参加促進」など幅広いテーマをカバーしています。

調査によると、食に関する話題については、多くの人が栄養バランスや食生活について話題にする傾向が見られ、具体的には57.7%の人が最近1か月の間にこのテーマについて話していました。次いで食材(46.4%)、料理レシピや調理(40.7%)、食品の安全性(35.8%)についても関心が高く、日常的に話題に上ることが示されています。また、食品ロスや農林水産業・生産者に関する話題も一定の割合で話されていることが確認され、国民が食に対する意識を持っていることが伺えます。

こどもに対する食育の取り組みに関しては、乳児や幼児、児童・生徒に対する異なるアプローチが必要とされています。乳児や幼児向けには、保護者が食について学ぶ機会の充実(71.8%)が重要視されており、食育に取り組むために親の知識向上が求められていることが明らかになりました。その他にも、保育所や幼稚園での給食の実施・充実(49.8%)や保育士や幼稚園教諭の食に関する指導力の向上(43.4%)といった支援が必要とされ、教育機関と保護者、地域社会の協力が必要とされています。

一方で、小中学生向けの食育に関しては、食生活や食文化について学べるコンテンツの充実(56.0%)が求められており、学校教育を通じて食に関する知識を身につける機会が重視されています。また、保護者の学習機会の充実(53.7%)や、学校給食における地場産物の利用拡大(51.7%)も重要視され、地域の食材を活用した教育が推奨されています。特に、家庭科などの教科や給食時間における栄養教諭と連携した指導の充実(47.2%)が求められ、教育現場と家庭との連携が食育において大きな役割を果たしていることが確認されました。

民間企業の食育活動については、テレビや新聞による広告(64.5%)が情報入手の手段として最も高い評価を得ており、次いで食品スーパーの店頭ポスターや陳列棚での表示(56.0%、47.5%)も効果的とされています。インターネット広告や食品の容器包装における表示も一定の評価を得ており、さまざまな情報媒体を通じて消費者への情報提供が行われています。これらのデータは、消費者が民間企業の食育情報をどのように受け取っているかを示しており、企業が食育活動を進める上で効果的な情報発信方法を選ぶ際の参考となるでしょう。

また、農林漁業体験については、体験費用が無料または安価であること(55.2%)が参加の意欲を高める要素として挙げられており、費用面での配慮が求められています。その他にも、食品工場や加工施設の見学・試食などと合わせた体験(49.1%)や、近場で日帰りできること(47.1%)も重要視されており、体験のしやすさが鍵となることが示されています。さらに、郷土料理や農山漁村の宿泊体験(37.1%)や送迎サービス(37.0%)も高い評価を受けており、地域の特色や利便性を活かした体験が望まれていることが明らかになりました。

農林水産業や産地との親近感を持つ場面としては、食品を購入したり外食をする際に産地情報が得られる(56.0%)ことが挙げられており、日常的な食事の選択が農林水産業への関心を高める要素となっています。また、テレビや新聞を通じた情報提供(47.5%)、農林漁業体験や消費者との交流を促進するイベント参加(40.6%)も有効とされており、国民にとって身近に農業や水産業を感じる機会が求められています。

この調査結果は、政府や自治体、教育機関、企業が連携して食育の重要性を普及し、消費者の食に対する意識向上を図るための参考になるでしょう。特に、子どもたちの食育を進めるにあたっては、家庭や教育現場だけでなく、地域社会や企業との協力が欠かせません。地域の食文化や地場産物の活用、食に関する体験活動など、多様な学びの場が提供されることが食育推進の鍵となるでしょう。さらに、体験費用や参加条件の配慮があれば、より多くの人々が食育活動に参加することが期待されます。企業においても、広告媒体の選択や消費者にわかりやすい情報発信の工夫が重要です。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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