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2025年2月21日

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令和6年速報!労働者総数5081.5万人、前年比1.2%増で採用市場の動向を解説(毎月勤労統計調査 令和6年分結果速報)

毎月勤労統計調査 令和6年分結果速報 第3表 常用雇用及び労働異動率(厚労省)

最新の雇用動向によると、事業所規模5人以上の企業における常用雇用及び労働異動率に顕著な変化が見られる。令和6年速報データによれば、全体の労働者総数は5081.5万人となり、前年比で1.2%の増加を記録した。これは企業の人材需要が依然として高いことを示している。一方で、パートタイム労働者の比率は30.83%となり、前年から0.48ポイント増加した。この動向は、多くの企業が柔軟な働き方を採用し、非正規雇用の活用を進めていることを示している。

業種別に見ると、鉱業・採石業では労働者総数が13万人と安定しているが、パートタイム労働者の比率は1.66%と低い。一方で、建設業では252.1万人の雇用があり、パートタイム比率は5.59%と前年度比でやや低下した。また、製造業においては766.6万人が働いており、パートタイム比率は12.94%と前年よりわずかに上昇している。このように、業種によってパートタイム労働者の活用度合いが大きく異なることが分かる。

入職率と離職率に注目すると、全体の入職率は2.04%、離職率は1.94%となり、前年と比較すると入職率がやや低下し、離職率も減少している。これは、企業が採用を継続している一方で、従業員の定着率が改善されている可能性があることを示唆している。特に鉱業・採石業では入職率が0.7%、離職率が1.17%と低い値を示しており、安定した雇用環境が整っていると考えられる。一方で、建設業では入職率が1.36%、離職率が1.26%となり、入職と離職がほぼ同程度の水準で推移している。

採用市場の動向を考える上で、これらのデータは企業の人材確保戦略に重要な示唆を与える。特に、パートタイム労働者の比率が増加している点は、労働力確保の手段として非正規雇用の活用が進んでいることを示している。これは、短時間勤務を希望する求職者にとっても魅力的な雇用形態となる可能性がある。

企業が今後の採用活動を進めるにあたっては、業界ごとの雇用動向を踏まえた戦略的な計画が求められる。例えば、製造業では人材の安定確保が課題となる一方で、建設業では労働者の流動性が高いため、離職防止策が重要になる。また、パートタイム比率が増加していることから、フルタイムの労働者だけでなく、短時間勤務者を積極的に活用することで、より柔軟な雇用体制を築くことができる。

企業が優秀な人材を確保し、持続的な成長を遂げるためには、業界ごとの雇用環境を理解し、それに応じた採用戦略を立てることが不可欠だ。今回のデータを活用しながら、自社の採用方針を見直し、変化する労働市場に適応することが、今後の成功の鍵となる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ