2024年6月2日
労務・人事ニュース
令和6年高校卒業者の就職率98.0%維持、工業99.5%・商業98.9%など学科別就職状況
令和6年3月高等学校卒業予定者の就職状況(令和6年3月末現在)に関する調査について(文科省)
文部科学省は、令和6年3月に高等学校を卒業する生徒の就職状況について調査を実施し、その結果を令和6年3月末時点で取りまとめ、公表しました。この調査は、高校生の就職問題に適切に対応するための参考資料を提供することを目的としています。
今回の調査は、全国の国立、公立、私立の高等学校および中等教育学校(全日制・定時制)を対象に行われました。調査項目は学科別(国立、公立、私立の別)の就職状況と都道府県別(県内・県外別)の就職状況です。
令和6年3月末時点での高校生の就職率は98.0%となり、前年同期と同水準を維持しました。男女別に見ると、男子の就職率は98.4%で前年同期と変わらず、女子の就職率は97.2%で前年同期より0.1ポイント減少しました。
学科別では、就職率が高い順に「工業」が99.5%、「水産」が99.2%、「商業」と「福祉」が共に98.9%、「情報」が98.8%、「農業」が98.7%、「家庭」が98.4%、「看護」が98.3%、「総合学科」が97.7%、「普通」が95.9%となっています。なお、「その他」の学科は除外されており、「看護」に関しては看護師5年一貫課程の5年次生のデータが示されています。
都道府県別では、就職率の高い県として福島県と富山県が共に99.9%、次いで福井県が99.8%、三重県が99.7%、秋田県、和歌山県、香川県、広島県がそれぞれ99.6%となっています。一方、就職率の低い県としては、沖縄県が90.7%、神奈川県が91.9%、千葉県が95.3%、滋賀県が95.7%、北海道が96.2%、大阪府が96.3%となっています。
今回の調査結果は、高校生の就職状況が依然として良好であることを示していますが、一部の地域では依然として課題が残っています。特に沖縄県や神奈川県など、就職率が低い地域においては、引き続き支援が必要です。また、学科別に見ても工業や水産といった専門性の高い学科での就職率が非常に高いことがわかります。これらの学科の高い就職率は、地域の産業との結びつきが強いことや、専門的な技能を持つ人材の需要が高いことが背景にあると考えられます。
文部科学省は今後も高校生の就職活動を支援し、地域ごとの課題解決に向けた取り組みを強化していく方針です。各学校や地域の教育機関、企業とも連携し、より多くの生徒が希望する職に就けるよう努めていくことが期待されます。特に、就職率が低い地域に対しては、地域の特性に合わせた支援策を講じることが重要となります。
⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ