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2024年6月11日

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令和6年(2024年)4月 福岡県 有効求人倍率は1.21倍 前月と同水準(福岡労働局)

引用 福岡労働局 雇用情勢(令和6年4月分)についてより

雇用情勢(令和6年4月分)について(福岡労働局)

2024年4月の雇用情勢は、全体として改善傾向にありますが、物価上昇などの経済的影響に対する注意が必要です。最新のデータによると、有効求人倍率は1.21倍で、前月と同水準を保っています。この倍率は、求職者1人に対して1.21件の求人があることを示しています。一方、有効求人数は前月比で0.3%減少し、有効求職者数も0.2%減少しました。

新規求人倍率は2.19倍で、前月より0.12ポイント下がりましたが、新規求人数は0.8%増加し、新規求職者数は6.3%増加しています。新規求人数の原数値は前年同月比で1.3%増加し、新規求職者数の原数値は4.4%増加しました。これらのデータは、季節調整値とは異なり、実際の数値を反映しています。

産業別に見ると、増加したのは学術研究、専門・技術サービス業で8か月連続の増加が見られます。金融業、保険業も2か月連続で増加しており、宿泊業、飲食サービス業および医療、福祉は2か月ぶりに増加しました。また、建設業、情報通信業、不動産業、物品賃貸業は3か月ぶりの増加、サービス業(他に分類されないもの)は7か月ぶりの増加、生活関連サービス業、娯楽業は8か月ぶりの増加を記録しています。一方、卸売業、小売業は8か月連続で減少し、製造業は6か月連続で減少しています。運輸業、郵便業も2か月連続で減少しています。

地域別に見ると、福岡地域の有効求人倍率は1.18倍で前年同月比0.05ポイント減少しました。北九州地域では1.06倍で0.04ポイント減少、筑豊地域は1.17倍で0.13ポイント減少、筑後地域は1.15倍で0.11ポイント減少しています。これらのデータから、地域ごとの雇用市場の状況を把握することが重要です。特に、地域ごとの産業構造の違いによって有効求人倍率や新規求人倍率の変動が見られることがわかります。

正社員有効求人倍率は0.89倍で、前年同月を0.02ポイント下回りました。正社員の有効求人倍率は、正社員の月間有効求人数をパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出されていますが、パートタイムを除く常用の有効求職者数には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となります。

新規求職者数は25,593人で、前年同月比4.4%増加しました。男性求職者は前年同月比6.0%増加し、女性求職者は同3.3%増加しています。新規常用求職者を状態別に見ると、離職者は前年同月比3.7%増加し、そのうち事業主都合によるものは同6.1%増加、自己都合によるものは同2.7%増加しています。在職者は同7.7%増加し、無業者は同3.5%増加しました。

現下の雇用情勢は全体として改善が見られますが、物価上昇などの影響による不透明さが依然として残っています。特に、新型コロナウイルスの影響が続く中での景気回復が求められる中、各産業や地域ごとの動向に注視する必要があります。また、正社員有効求人倍率の低さからも、正社員の雇用環境改善に向けた取り組みが引き続き求められます。

専門職需要が高まる福岡県の労働市場

令和6年4月の雇用情勢を踏まえると、福岡県の労働市場にはいくつかの重要な影響が見られます。福岡県の有効求人倍率は1.18倍で、前年同月比で0.05ポイント減少しました。この減少は、県内の雇用市場に一定の影響を与えています。

まず、福岡県の有効求人倍率の減少は、企業の採用意欲がやや弱まっていることを示しています。これは、物価上昇や景気の不透明感が企業の将来的な経済見通しに影響を与えている可能性があるためです。特に、中小企業においてはコスト増加に対する懸念が強まり、新規採用を控える動きが見られます。

一方で、新規求人倍率が前月比で減少している一方で、新規求人数はわずかに増加しています。これにより、新規求職者に対する求人の増加は見込まれ、求職活動を行う人々にとってはチャンスが増える可能性があります。特に、専門的なスキルを持つ人材に対する需要が高まっており、これが福岡県の労働市場の質的向上に寄与することが期待されます。

産業別の動向を見ると、福岡県では学術研究、専門・技術サービス業や金融業、保険業、宿泊業、飲食サービス業、医療、福祉などの分野で求人が増加しています。これらの産業は、地域経済の発展に重要な役割を果たすため、これらの分野での雇用増加は福岡県の経済全体にプラスの影響を与えるでしょう。一方、卸売業、小売業、製造業、運輸業、郵便業などの分野では求人が減少しています。これらの分野の停滞は、特に低技能労働者に対する雇用機会の減少を意味し、労働市場の二極化が進む可能性があります。

さらに、正社員有効求人倍率が0.89倍と低めに推移していることから、正社員としての安定した雇用機会が不足していることが示唆されます。これにより、若年層や転職希望者が正社員の職を見つけるのが難しくなる可能性があります。この状況を改善するためには、企業側が長期的な視点での人材育成や労働条件の改善に取り組むことが求められます。

また、新規求職者数が前年同月比で増加している点も注目されます。これにより、労働市場における競争が激化し、求職者はより多くの努力を要することが予想されます。しかしながら、福岡県では専門技術を持つ人材に対する需要が高まっているため、スキルアップや専門的な資格取得を目指す求職者にとっては有利な状況が続くでしょう。

総じて、福岡県の労働市場は改善の兆しを見せつつも、物価上昇や景気の不透明感などの外的要因に対する注意が必要です。企業は採用戦略を見直し、労働者はスキルアップを図ることで、より良い雇用機会を得るための準備が求められます。

⇒ 詳しくは福岡労働局のWEBサイトへ