2024年10月15日
労務・人事ニュース
令和6年 北九州市、中小企業の後継者不足解消に向けた全国初の官民連携!サーチファンド活用で地域経済を活性化
令和6年 北九州市 中小企業の優秀な後継者探しへ官民タッグ!(事業承継支援)
北九州市は、市内の中小企業が直面している「経営者の高齢化」や「後継者不足」といった課題に対応するため、官民が連携して新たな取り組みを始めました。この取り組みは、サーチファンド事業を手掛ける山口フィナンシャル・グループの関連会社である山口キャピタル株式会社と、Growthix Capital株式会社との協力により、事業承継を推進するものです。特に自治体とサーチファンド事業者が協定を結んだのは全国初の事例であり、注目を集めています。
サーチファンドとは、将来的に経営者を目指す「サーチャー」と呼ばれる優秀な経営人材が、ファンドの支援を受けて自ら引き継ぎたい企業を探し、事業承継を進める仕組みです。これにより、企業は後継者問題を解決し、さらなる成長を目指すことができ、地域経済の活性化にもつながると期待されています。
この協定の内容としては、市内中小企業へのサーチファンドの活用による事業承継の紹介や、市とサーチファンド事業者が共催するセミナーの実施、専門家への周知活動などが含まれています。さらに、後継者候補となるサーチャーの発掘や、候補企業とサーチャーのマッチング、サーチャーが北九州市内で調査活動を行う際の補助金制度の新設など、具体的な支援策も講じられています。
この新しい取り組みは、従来のM&A(企業買収)とは異なり、企業オーナー自らが後継者を選定できる点が大きな特徴です。サーチャーが引き継いだ企業の経営を担うことで、企業価値の向上を目指すことが可能です。中小企業の経営者にとっても、安心して事業を託せる後継者を見つける新しい手段として、非常に有効な方法とされています。
また、北九州市はこの取り組みを促進するために「北九州市事業承継調査活動等補助金」を提供しています。この補助金は、全国から北九州市に優秀なサーチャーを呼び込むためのもので、市内中小企業の事業承継に向けた視察や面談、調査活動に対して支援を行います。具体的には、旅費や宿泊費などの経費の一部を補助する内容で、上限は50万円です。サーチャーが企業を訪問したり、市内の市場調査や金融機関との打ち合わせを行う際に、これらの経費の半額が支給されます。補助金の申請は年度を問わず1回限りですが、後継者問題を解決するために必要な活動を支援するための強力な制度です。
補助金を受け取るための要件としては、申請者が北九州市内に本社を置く中小企業から事業を引き継ぐことを目指していることや、サーチファンド事業者の支援を受けていることが条件となっています。さらに、申請が認められるためには、該当年度の2月末日までに経費の支払いを完了している必要があります。宿泊費に関しては、1泊あたりの上限が設定されており、7日以上の連泊の場合は割引された額が適用されるなど、細かな規定が設けられています。
今後、北九州市では事業承継に関するセミナーも開催予定で、これにより市内中小企業の経営者や後継者候補者に対してさらなる情報提供を行い、理解を深めてもらうことを目的としています。セミナーは2023年11月10日に開催予定で、詳細は今後発表される見込みです。
この取り組みにより、北九州市内の中小企業が直面する後継者不足という問題を解決するだけでなく、地域経済全体の活性化も図ることが期待されています。企業の持続的な成長と、次世代の経営者を育成するためのサポートが今後さらに強化されるでしょう。中小企業のオーナーや経営者を目指す方にとって、このサーチファンドを活用した事業承継は、注目すべき選択肢と言えます。
⇒ 詳しくは北九州市のWEBサイトへ