2024年9月13日
労務・人事ニュース
令和6年 秋の全国交通安全運動がスタート、歩行者事故防止のための反射材着用やライト点灯徹底で交通死亡事故を大幅削減へ
令和6年秋の全国交通安全運動の実施について(警察庁)
令和6年9月12日に警察庁交通局から発表された「令和6年秋の全国交通安全運動」についての詳細を基に、交通事故防止のための取り組みや、交通事故の現状分析を中心に説明します。この運動は9月21日から10日間にわたり実施され、内閣府、警察庁をはじめとする10府省庁や地方自治体、関係団体が協力して実施します。特に重点を置かれているのは、歩行者の交通事故防止、早めのライト点灯やハイビーム活用の促進、飲酒運転の撲滅、自転車や特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルールの徹底です。
交通事故の傾向として、秋から年末にかけて交通事故の死者数が増加することが指摘されています。特に、9月以降は歩行中の死者が最多となり、日の入り後1時間に発生する自動車と歩行者の死亡事故が顕著に増加します。この時期、特に10月から12月にかけては、7月から9月と比較して事故の発生率が約2倍に増加し、86%が歩行者が横断歩道以外を横断中に起こる事故です。歩行者が事故に巻き込まれる原因としては、反射材を着用せず、車のドライバーからの視認が難しい状態で道路を横断していることが多いとされています。このため、反射材の利用促進や、安全な横断方法の普及が求められています。
また、日の入り後1時間における自動車と歩行者の死亡事故では、自動車側の法令違反として「前方不注意」が約5割を占めており、これが事故の主な要因となっています。運転者に対しては、早めのライト点灯やハイビームの適切な活用が推奨され、歩行者の安全確保に向けた対策が求められています。特に飲酒運転による死亡・重傷事故は年末にかけて増加し、特に「飲食」を目的とした通行中に発生する事故が増加していることも指摘されています。
次に、自転車や特定小型原動機付自転車に関連する事故についてです。近年、自転車乗用中の事故では、法令違反が関与するケースが増加しており、死者の約77%が何らかの法令違反を犯していたことが明らかになっています。さらに、自転車乗用中の死者の半数以上が頭部の損傷によるもので、ヘルメットの非着用者は着用者に比べて致死率が約1.5倍高いことが判明しています。警察の調査によると、令和6年7月時点での自転車用ヘルメットの着用率は17.0%と、前年から3.5ポイント上昇しました。しかし依然として、着用率は低水準に留まっており、さらなる普及が必要です。
警察庁はこれらの状況を受け、反射材の視認効果を広く周知し、歩行者に対する交通ルールの遵守を啓発する活動を強化しています。また、早めのライト点灯やハイビームの活用を奨励し、地域社会や職場などで飲酒運転の根絶に向けた取り組みも強化されます。自転車や特定小型原動機付自転車の利用時においては、ヘルメット着用の推進と、スマートフォンを操作しながらの運転、いわゆる「ながらスマホ」の禁止を呼びかけ、安全運転の徹底が求められています。
令和6年8月末時点での交通事故死者数は、前年同期と比較してわずか0.1%減少し、1,655人となっていますが、依然として秋から年末にかけての死者数増加が懸念されています。交通事故は月によって発生率に大きな差があり、特に10月から12月にかけての増加が顕著です。歩行者の安全を確保するためには、反射材の着用や適切な横断方法の指導だけでなく、ドライバー側の注意喚起も重要です。特に夕暮れ時や夜間における前方不注意が原因の事故が多いため、ドライバーにはライトの早めの点灯やハイビームの活用を促進することが必要です。
さらに、飲酒運転や携帯電話を使用しながらの運転による事故も増加傾向にあります。飲酒運転に関しては、通行目的が「飲食」である場合に、事故の発生率が特に高まることがわかっています。また、携帯電話やスマートフォンの使用が原因となる事故も増加しており、特に画像目的で使用するケースが多くみられます。警察庁は、こうした違反行為に対する厳格な取り締まりを強化し、事故の減少を目指しています。
最後に、自転車関連の事故に関する分析結果についてです。自転車乗用中の死者数は減少傾向にあるものの、法令違反率は高止まりしており、事故に関与する自転車の約7割から8割が何らかの法令違反を犯しています。また、自転車乗用中における頭部損傷の割合が高く、ヘルメットを着用していない場合の致死率が着用時と比較して約1.5倍にもなります。自転車利用者に対するヘルメット着用の啓発活動が引き続き重要であり、自治体ごとの着用率向上に向けた取り組みも進められています。
このように、令和6年秋の全国交通安全運動は、交通事故防止のための多角的な対策を講じるとともに、特に歩行者や自転車利用者の安全を重視した内容となっています。今後もこれらの取り組みを通じて、事故の発生を防ぎ、安全な社会の実現を目指していくことが期待されます。
⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ