2025年1月26日
労務・人事ニュース
令和6年 総計136ダムが台風第10号で事前放流を実施
令和6年は、全国の延べ184ダムで事前放流を実施! ~洪水に備え、既存ダムを活用し容量を確保~(国交省)
令和6年、日本国内での洪水対策として、延べ184ダムが事前放流を実施しました。これは、台風や豪雨に備えた計画的な措置で、これにより約5.7億立方メートルの容量が確保されました。この取り組みは、令和2年度から整備された事前放流の体制を活用し、従来の洪水対策をさらに強化するものです。
特に注目すべきは、治水等多目的ダム101箇所、利水ダム83箇所で実施された事前放流の効果です。治水等多目的ダムでは約2.6億立方メートル、利水ダムでは約3.0億立方メートルの容量が確保され、全国的な洪水調節の基盤を強化しました。これらの数字は、過去に実施された同様の取り組みと比較しても大幅な進展を示しています。
令和6年8月に発生した台風第10号の際、事前放流が特に効果を発揮しました。全国136ダムで事前放流が行われ、その中には久慈川水系や緑川水系が含まれていました。久慈川水系滝ダムでは、事前放流によって約90万立方メートルの容量を確保し、洪水調節に成功しました。その結果、洪水のピーク流量を20%削減し、浸水被害の防止に貢献しました。また、洪水のピーク水位が発生するまでの時間を約5時間遅らせることで、地域住民の避難活動や水防活動に必要な時間を確保することができました。
一方、緑川水系緑川ダムでは、事前放流により約482万立方メートルの容量を確保し、最大で毎秒142立方メートルの洪水を貯留することで、下流域の洪水量を約20%削減しました。これにより、中甲橋地点では水位が約23センチメートル低下し、洪水被害を防止することができました。このような具体的な効果は、ダム運用の効率性と事前放流の重要性を如実に示しています。
さらに、この事前放流の取り組みは、地方自治体や関連機関との連携を強化する契機にもなりました。全国各地で管理されているダムには、県、市、町が管理する施設だけでなく、水資源機構や電力会社が管理する施設も含まれています。これにより、地域ごとの特性に応じた柔軟な運用が可能となり、結果として全国的な洪水リスクの軽減に寄与しました。
今回のデータは速報値や暫定値を含むため、将来的にさらなる調査が進むことで、より詳細な結果が明らかになることが期待されます。しかし、現時点で得られた成果は、事前放流が洪水対策として非常に有効であることを示す十分な証拠と言えるでしょう。これに基づき、国土交通省は今後も既存ダムの洪水調節機能を強化し、さらなる安全性の向上を目指すとしています。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ