2024年12月14日
労務・人事ニュース
令和6年10月の新設住宅着工、69,669戸で6か月連続減少
建築着工統計調査報告(令和6年10月分)(国交省)
国土交通省が令和6年11月29日に発表した最新の建築着工統計調査によると、令和6年10月の新設住宅着工戸数は69,669戸で、前年同月比2.9%の減少となりました。これは6か月連続の減少となり、持家が増加した一方で貸家と分譲住宅が減少したことが影響しています。また、季節調整済み年率換算値では779,000戸で、前月比2.7%減少しました。この調査結果は、国内住宅市場の現状を反映しており、住宅需要の変動や経済環境の影響を示すものです。
持家は19,705戸と前年同月比9.0%増加し、これは35か月ぶりの増加です。特に民間資金による持家が18,123戸で9.6%増加、公的資金による持家も1,582戸で2.6%増加しました。この増加は、住宅ローン金利の動向や政府の住宅支援政策が背景にあると考えられます。一方、貸家は29,541戸で前年同月比6.7%減少し、先月の増加から再び減少に転じました。特に民間資金による貸家は8.1%減、公的資金による貸家は13.5%増加しており、民間部門の減少が全体に影響を与えています。
分譲住宅に関しては、マンションが8,837戸で前年同月比13.1%減少し、一戸建て住宅も10,511戸で7.5%減少しました。これにより、分譲住宅全体では9.3%減少し、6か月連続の減少が続いています。特にマンション市場の低迷が大きな影響を及ぼしており、都市部での土地取得や建設コストの上昇が一因とされています。
地域別では、首都圏では総戸数が前年同月比0.9%減少しましたが、中部圏は9.0%増加、近畿圏は14.0%減少、その他地域は3.3%減少しています。中部圏では持家と貸家が増加している一方で、近畿圏では分譲住宅が大幅に減少しました。これらの地域差は、地域ごとの経済動向や人口動態の違いが反映されています。
また、建築工法別ではプレハブ工法が7,323戸で前年同月比13.4%減少し、17か月連続の減少となっています。一方でツーバイフォー工法は9,007戸で0.7%増加し、5か月連続の増加を記録しました。これらの工法選択の傾向は、建築コストや施工スピード、エネルギー効率などが影響していると考えられます。
非居住用建築物については、着工床面積が909万㎡で前年同月比16.2%減少しました。特に店舗や倉庫が大幅に減少した一方で、工場や事務所は増加しました。この変化は、産業動向や物流ニーズの変化を反映しており、特に製造業用の施設が増加していることが特徴です。
今回の統計結果から、国内の住宅および非居住用建築市場には依然として課題がある一方で、地域や建築用途によって明確な動向の違いが見られます。これらのデータは、建設業界や政策立案者にとって、将来の施策や投資戦略を考える上で重要な指針となるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ