労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和6年10月調査が示す病院8,057施設の減少傾向、642床減少

2025年1月13日

労務・人事ニュース

令和6年10月調査が示す病院8,057施設の減少傾向、642床減少

医療施設動態調査(令和6年10月末概数)(厚労省)

令和6年10月時点の医療施設動態調査によると、日本国内の医療施設における施設数や病床数の変化が明らかになりました。この調査は、国民の医療需要に対応するための重要な指標を提供するものであり、全国的な医療提供体制の現状を把握するために行われています。以下に、その主要な結果を基にした詳細な分析を示します。

全国の医療施設の総数は179,674施設で、前月比41施設の減少が見られました。また、病床数も1,541,389床と、前月比で968床減少しました。この減少は、特に病院や診療所の施設数および病床数に顕著に表れています。病院の施設数は8,057施設で、前月比3施設減少しました。一方で、一般診療所の施設数は105,298施設となり、27施設の増加が見られました。これらの増減に伴い、病床数の変動もあり、病院全体で642床の減少、一般診療所では326床の減少が報告されています。

特に注目すべきは、歯科診療所の施設数が66施設減少した一方で、病床数に変化がなかった点です。これにより、歯科分野の施設配置や機能がどのように変化しているのかについてのさらなる分析が求められます。

施設の種類別に見ると、精神科病院の施設数が1施設増加した一方で、一般病院の施設数は4施設減少しました。また、療養病床を有する病院の数も同様に4施設減少しており、これが病床数の減少にも寄与していると考えられます。感染症病床や結核病床の数には変化が見られませんが、療養病床数は247床の減少が報告されています。

一般診療所では、有床診療所が24施設減少し、無床診療所が51施設増加しました。このことは、診療所が病床を有する形式から外来診療に特化した形態へとシフトしている可能性を示唆しています。特に療養病床を有する一般診療所の数が8施設減少しており、これが病床数の減少をさらに加速させていると考えられます。

都道府県別の状況を見ても、地域ごとの医療提供体制の違いが浮き彫りになっています。東京都では、病院の施設数が632施設、一般診療所が15,176施設、歯科診療所が10,601施設と、いずれも全国で最も多い数を記録しています。これに対し、鳥取県や島根県などの地方では施設数が少なく、地域医療体制の強化が引き続き求められる状況です。

医療法人が運営する病院の数は5,624施設、病床数は827,091床で、全体の中でも大きな割合を占めています。これに次いで、市町村が運営する病院が588施設、病床数が117,381床を有しており、地域医療の担い手として重要な役割を果たしています。

一方で、会社が運営する病院や診療所の数は比較的少なく、病院は24施設、病床数は7,397床にとどまっています。このことは、医療提供における公的機関や医療法人の重要性を示しています。また、個人が運営する一般診療所は38,697施設で、全体の中でもかなりの数を占めています。

このデータから、今後の医療政策において考慮すべき課題が浮かび上がります。特に、地方における医療資源の不足や病床数の減少が進行していることから、地域ごとの医療提供体制の再編や効率化が急務です。また、高齢化社会に対応するために、療養病床や在宅医療の整備が求められています。

さらに、都市部では施設数が多い一方で、人口密度の高さや患者の集中により医療提供体制が過密化する懸念もあります。このような状況を解決するためには、テクノロジーを活用した効率的な医療提供や、地域医療の連携強化が重要です。

この調査結果を踏まえ、政府や自治体、医療関係者は今後の医療政策において、持続可能な医療提供体制の構築を目指す必要があります。特に、医療需要が増加する地域への資源配分や、医療従事者の確保、地域ごとの医療ニーズに応じた柔軟な対応が求められます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ