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2024年12月12日

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令和6年10月 三重県の有効求人倍率1.15倍!雇用改善も地域間格差に課題

一般職業紹介状況(令和6年10月内容)(三重労働局)

厚生労働省三重労働局は令和6年10月の三重県における職業紹介状況を発表しました。これによれば、有効求人倍率(季節調整値)は1.15倍と、前月比で0.02ポイント上昇しましたが、全国平均の1.25倍には届かず、順位は全国33位でした。また、就業地別有効求人倍率は1.35倍で、こちらも0.02ポイントの上昇を見せていますが、全国では24位にとどまっています。このように、県内の求人情勢は求人数が求職者数を上回る状況が続いていますが、全体として求人動向には足踏みが見られ、改善基調には弱さが指摘されています。

新規求人倍率も注目されるポイントです。令和6年10月の新規求人倍率は2.07倍となり、前月比で0.29ポイント上昇しました。就業地別では2.41倍と、こちらも前月から0.32ポイントの上昇を記録しています。新規求人数は10,566人で、前月比7.9%(772人)の増加となりましたが、新規求職申込件数は5,113件と、前月比6.9%(376件)の減少を示しました。これにより、新規求人倍率の上昇がもたらされています。

産業別に見ると、建設業や製造業、運輸業、小売業などの一部業種では減少傾向が見られる一方で、宿泊業や飲食サービス業は前年比で38.3%の増加と大きな伸びを示しました。さらに、医療・福祉分野も5.3%増加し、他の業種と比較して堅調な動きを見せています。特に宿泊業や飲食サービス業における需要増加は、観光需要の回復や人手不足の影響と考えられます。

求職者の動向についても興味深いデータが得られています。新規求職申込件数は5,423件と前年比3.5%増加し、これは2か月連続の増加となります。在職者の新規求職申込は1,412人で前年比8.0%増加し、無業者も7.2%増加の524人に達しました。一方、離職者は3,475人で前年比1.5%増加しましたが、その内訳を見ると、事業主都合による離職者が4.6%増加した一方で、自己都合離職者はわずかに減少しています。このデータは、雇用環境が依然として不安定である一方で、一部の業種では転職希望者が増加していることを示唆しています。

正社員の求人動向も詳細に報告されています。令和6年10月時点での正社員有効求人数は13,617人と前年比5.3%減少し、有効求職者数も1.5%減少の14,087人となりました。この結果、正社員の有効求人倍率は前年同月比0.04ポイント低下し0.97倍となり、19か月連続で低下しています。この減少傾向は特に正社員求人における課題を浮き彫りにしています。

地域別に見た有効求人倍率では、三重県内の全てのハローワークで前年同月比で低下が確認されており、特に桑名や伊賀地区では有効求人倍率が1倍を下回っています。このような状況から、地域ごとの雇用環境の改善に向けた具体的な施策が求められることが分かります。

これらのデータは、三重県内の労働市場における課題を浮き彫りにしています。全体として求人数が求職者数を上回る状況ではあるものの、業種や地域によって求人動向にばらつきがあり、特に正社員の求人減少が深刻な問題として挙げられます。また、新規求人倍率や新規求職申込件数の上昇は一部業種での活発な動きを示していますが、全体的な雇用環境の安定には至っていません。この状況を踏まえ、企業や自治体、関連団体が一体となって、地域ごとのニーズに応じた雇用政策や支援策を展開する必要性があると言えます。

⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ

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