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2024年12月11日

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令和6年10月 埼玉県の求人倍率1.16倍に上昇、業種別動向で見る最新雇用市場

労働市場ニュース(令和6年10月)(埼玉労働局)

埼玉県の雇用情勢は、近年における経済活動の動向を背景に微妙な変化を見せています。令和6年10月の統計データによると、有効求人倍率は1.16倍で、前月から0.01ポイント上昇しました。この指標は、求人数と求職者数のバランスを示すものであり、埼玉県の雇用市場が引き続き比較的良好な状態にあることを反映しています。一方で、新規求人倍率は2.21倍と前月から0.08ポイント上昇しており、新規求人数の増加が顕著であることがわかります。この背景には、特定の業種における求人需要の高まりが寄与しています。

まず、新規求人数は35,873人で、前月比0.2%増加しました。この増加傾向は、特定の産業における活発な雇用活動によるものです。例えば、学術研究や専門・技術サービス業では前年比23.8%増、製造業では13.2%増、卸売・小売業でも16.8%増加しており、それぞれの分野で労働力需要が高まっていることが確認されました。具体的には、学術研究分野では専門サービス業が、製造業では印刷業が、卸売・小売業では食料品小売業が主要な求人元として挙げられます。一方で、情報通信業や教育・学習支援業では新規求人数が減少しており、それぞれ前年比26.3%減および15.7%減という結果でした。こうした動きは、業界全体の景気や技術革新の進展など外的要因が影響していると考えられます。

有効求人数については104,147人と、前月比で0.1%減少しました。一方、有効求職者数は89,886人で、前月比1.1%減少しています。このことから、有効求人倍率が上昇した一方で、求職者数の減少が一部の雇用市場の圧力を軽減していることが示唆されます。正社員を希望する新規求職者の割合は62.3%と、前年同月比で0.2ポイント低下しました。このような減少傾向は、求職者がより柔軟な雇用形態を選択している可能性を示しています。

雇用形態別に見ると、フルタイム求人は前年比4.2%増加し、23,470人を占めています。一方、パートタイム求人は17,059人で前年比8.7%の増加を記録しました。このようなデータは、企業が雇用形態を柔軟にすることで、幅広い人材を採用する意図があることを示しています。また、正社員としての雇用が引き続き重要視される一方で、パートタイムや非正規雇用も重要な役割を果たしています。

一方、雇用保険関連のデータも興味深い結果を示しています。令和6年10月時点での雇用保険被保険者数は1,612,174人で、前年比0.8%増加しました。一方、雇用保険受給者数は23,574人で、前年比0.2%減少しました。このようなデータからは、全体的な雇用市場の安定性が読み取れますが、特定の求職者層にはまだ課題が残されていることが示唆されます。

地域別の状況を見てみると、各市区町村における雇用環境も多様な動きを見せています。例えば、大宮では新規求人倍率が1.26倍である一方、秩父では1.21倍という結果が出ています。これらの数値は、地域ごとの経済構造や産業の特性が影響していることを示しています。また、公共職業安定所別のデータからは、地域によって異なる課題と機会が明らかになっています。

以上のデータを基に、埼玉県の雇用市場に関する主要なポイントを整理すると、全体的な求人倍率の上昇、新規求人の増加、正社員比率の低下などが挙げられます。また、特定の業種や地域での雇用活動の活発化が観察される一方で、情報通信業や教育分野では課題が見られることも明らかです。こうした動向を踏まえ、企業や行政がどのように雇用施策を展開していくかが、今後の地域経済の発展において重要な要素となるでしょう。

⇒ 詳しくは埼玉労働局のWEBサイトへ

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