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2024年12月10日

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令和6年10月 宮城県の有効求人倍率1.22倍、雇用改善の兆しはあるも課題が山積

宮城県の雇用情勢(令和6年10月)(宮城労働局)

宮城県の一般職業紹介状況に関する最新データによると、令和6年10月の有効求人倍率は1.22倍で、前月から変わらない水準が維持されました。有効求人数は44,156人で、前月比0.5%減少、有効求職者数は36,278人で、同じく0.3%の減少を記録しています。新規求人倍率は1.88倍で、前月比0.19ポイント低下しました。これらのデータは、雇用市場における改善の兆しがあるものの、その動きが弱含んでいることを示しています。特に物価上昇の影響が、雇用状況にどのような影響を与えるかについての注意が引き続き必要です。

過去1年間の傾向を分析すると、月間有効求人数は令和6年10月時点で前年同月比8.5%減少しており、17か月連続の減少を示しています。一方で、新規求職者数は8,173人で、前年同月比0.5%増加しましたが、この増加も微々たるものに留まっています。新規求人倍率は、これらの背景を受けて1.88倍に低下していますが、新規求職者数の増加により、就職件数は一定の水準を維持しています。

産業別の動向を見ると、「医療・福祉」や「サービス業」では新規求人が増加した一方で、「卸売業・小売業」や「宿泊業・飲食サービス業」などでは減少が顕著です。特に、宿泊業・飲食サービス業では前年同月比22.3%の減少が見られ、これが全体の新規求人数の減少に寄与していることがわかります。一方で、建設業では前年同月比1.8%の増加を記録し、一部の分野では持ち直しの兆しが見られます。

職種別に見ると、常用有効求人倍率は全体で1.22倍となっていますが、職種ごとにばらつきがあります。例えば、生産工程従事者では4.77倍、輸送・機械運転従事者では1.62倍となっており、技術職に対する求人ニーズの高さが際立っています。一方で、事務職や販売職では倍率が相対的に低く、1倍を下回るケースも見受けられます。

正社員求人の状況については、正社員求人の割合が全体の50.5%を占めており、前年同月比で2ポイント上昇しています。特に、正社員求人倍率は1.02倍と低水準に留まっているものの、フルタイムを希望する求職者とのマッチングが進展していることが見て取れます。新規学卒者を除く常用フルタイム求職者のうち、事業主都合による離職者数が12.6%増加した点も注目に値します。このデータは、事業の合理化や業績悪化が一部で続いていることを反映している可能性があります。

全体として、宮城県の労働市場は需要と供給のバランスが徐々に回復しつつあるものの、特定の分野や職種においては依然として課題が残されています。特に、物価上昇や業績低迷がもたらす影響が引き続き注視すべきポイントです。雇用のミスマッチを解消し、求職者と求人のマッチング精度を向上させるための施策が求められています。

⇒ 詳しくは宮城労働局のWEBサイトへ

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