2024年12月12日
労務・人事ニュース
令和6年10月 島根県の有効求人倍率が全国平均を超える1.43倍に!企業に求められる新採用戦略
島根の雇用情勢(令和6年10月分)(島根労働局)
2024年10月、島根労働局が発表した最新の雇用統計によると、島根県の有効求人倍率(季節調整値)は1.43倍と前月比で0.01ポイント低下しました。一方、全国平均の有効求人倍率は1.25倍と、地域間での雇用情勢の違いが引き続き見られます。この統計は、新規学卒者を除いたパートタイムを含むデータであり、特に正社員を対象とした求人倍率が1.33倍で前年同月比0.03ポイント上昇した点が注目されています。正社員求人の需要が引き続き高いことが示唆されており、採用戦略において重要な示唆となります。
島根県内の月間有効求人数は16,999人で、前月比で0.4%減少しました。一方、有効求職者数は11,882人と前月比0.2%の増加を見せています。これにより、求職者にとっての選択肢が減少しつつある一方で、求人倍率の安定が維持されています。これにより、企業が求める人材の競争率が上昇していることが推測されます。
特筆すべきは、産業別の新規求人動向です。「製造業」では前年同月比24.7%の増加、「医療・福祉」分野では4.5%の増加が見られ、これらの分野での雇用拡大が進行しています。一方、「金融・保険業」は前年同月比68.3%、「宿泊・飲食サービス業」は33.7%減少しており、業種による需要の偏りが顕著です。特に、医療福祉分野の求人増加は地域社会の高齢化や医療需要の高まりに対応したものと考えられ、企業がこれらの分野での採用を検討する際には、競争率の上昇を考慮した計画が求められるでしょう。
また、新規求職者の状況では、無業者が前年同月比で18.7%増加し、離職者は1.4%減少しました。これにより、労働市場には新たな求職者層が参入していることが伺えます。この動きは、企業が求職者の多様性に対応し、新しいスキルセットを求める人材の活用を進めるチャンスとも言えるでしょう。
さらに、島根県内の雇用調整助成金の活用状況にも注目です。10月の助成金計画受理件数は前年同月比で225%の増加を記録し、対象労働者数も87.3%増加しました。これは企業が経済環境の変化に柔軟に対応するための取り組みを強化していることを示しています。このような助成金の活用は、労働力の維持や雇用安定策として重要であり、特に採用に関する財務的な負担軽減を図る手段として有効です。
就職状況では、10月の就職件数が957件で前年同月比0.7%減少しましたが、就職率は39.1%と比較的安定しています。このデータは、企業が優秀な人材を確保するための採用努力を求められる状況が続いていることを意味しています。採用担当者としては、求職者に対して魅力的な条件を提示し、競争を勝ち抜く戦略が不可欠です。
最後に、地域別の求人倍率にも目を向けると、隠岐の島では有効求人倍率が2.02倍と突出しており、その他地域との差が際立っています。このような地域特性を活かした採用戦略を立てることは、企業にとって新たなチャンスとなるでしょう。特に、離島地域での採用はインセンティブや働きやすさを強調することで人材を引き付ける効果が期待されます。
これらのデータを踏まえ、企業の採用活動においては、業界別、地域別の求人倍率を詳細に分析し、競争力のある採用条件を整えることが求められます。また、助成金や雇用調整の仕組みを積極的に活用することで、経済環境の変化にも柔軟に対応することが可能です。島根県の雇用動向は、全国平均と比較しても特徴的な点が多く、地域特性を最大限に活かす採用戦略が成功の鍵を握っています。
⇒ 詳しくは島根労働局のWEBサイトへ