2024年12月11日
労務・人事ニュース
令和6年10月 東京の有効求人倍率が1.77倍に上昇、求人数は367,000人超え
一般職業紹介状況(令和6年10月分)(東京労働局)
東京労働局が令和6年10月分の一般職業紹介状況を発表しました。この統計データは、ハローワークにおける求人や求職の状況を取りまとめたもので、東京を含む全国の雇用情勢を理解する上で重要な指標となります。今回のデータによると、有効求人倍率(季節調整値)は1.77倍で、前月より0.05ポイント上昇しました。これは、求人数の増加に伴い求職者一人当たりの求人件数が増えたことを示しています。
有効求人数は前年同月比で1.3%増加し、合計367,104人となりました。これに対し、有効求職者数も前年同月比で3.5%増加し、207,967人に達しました。新規求人数も前年同月比で4.6%増加し、138,198人となり、2か月連続で前年を上回りました。一方で、新規求職者数は35,727人で、前年同月比では0.3%減少しています。
産業別では、特に医療・福祉分野での新規求人数が12.4%増加しており、卸売業・小売業は17.2%増、情報通信業は10.3%増と、主要産業の多くで求人数が拡大しています。ただし、宿泊業・飲食サービス業では12.0%の減少が見られました。このような産業ごとの変化は、コロナ後の経済回復や労働市場の動向を反映しているものと考えられます。
正社員の職業紹介状況についても注目すべき点があります。正社員の有効求人数は161,937人で、前年同月比5.4%増加しました。新規求人数も8.8%増加し、59,334人に達しましたが、就職件数は2,269件で、5.6%減少しています。正社員の有効求人倍率は1.18倍で、求職者一人当たりの求人件数が微増している状況です。
また、求人充足率の低下が見られる点も見逃せません。求人充足数は9,442件で、前年同月比で0.7%減少しました。これは、求人が増加している一方で、求職者が希望する条件と一致しないケースが増えていることを示唆しています。特に、介護や建設関連の職種では有効求人倍率が高く、慢性的な人手不足が続いていることが明らかです。
これらのデータは、東京の労働市場が持続的に回復している一方で、物価上昇などの外部要因が雇用に与える影響も考慮する必要があることを示しています。特に、労働力不足が深刻な産業においては、賃金や労働環境の改善が今後の課題となるでしょう。また、新しい働き方への対応や、デジタル技術を活用した採用プロセスの最適化が企業側にも求められる状況です。
⇒ 詳しくは東京労働局のWEBサイトへ