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2024年12月19日

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令和6年11月の景気ウォッチャー調査 北海道観光業が復調!観光客数20%増加で地域経済をけん引

景気ウォッチャー調査(令和6年11月調査)― 北海道(現状)―(内閣府)

令和6年11月に行われた北海道の景気ウォッチャー調査の結果から、地域経済全体の動向を深掘りしていくと、景気回復の兆しとともに、業界や地域によって異なる課題や状況が明らかになります。観光業、小売業、輸送業、建設業、雇用市場など、北海道の経済活動を構成する主要な分野において、それぞれの現状が浮き彫りになりました。

観光業では、インバウンド需要と国内旅行者の動きが全体の活性化に寄与しています。観光名所では、来客数が前年比20%増加し、特に高齢者層や台湾からの団体観光客が主な牽引役となっています。この結果、関連する小売業や宿泊業では売上が増加し、観光型ホテルでは宿泊単価の上昇も確認されています。観光のオフシーズンである冬の始まりにも関わらず、こうした動きが持続していることは地域経済にとって朗報といえるでしょう。しかし、一部の観光施設や商店街では、観光需要が例年よりも低調であると指摘されており、地域間での格差が課題として挙げられます。

小売業では、土産物を扱う店舗が売上前年比115%を記録するなど、観光需要が直接的な追い風となっています。一方で、日常消費に近い分野では、物価高騰の影響が顕著で、スーパーでは割引セールが売上の中心を占めています。コンビニでは、安価な日用品を維持する店舗が来客数を増やす一方で、物価上昇の影響を受けて価格競争に巻き込まれている店舗も見られます。また、冬物衣料の需要が低調であることが衣料品業界にとっての課題となっています。このような状況下で、小売業界全体が消費者の購買行動に迅速に対応することが求められています。

輸送業では、農産物関連の輸送が季節要因で鈍化している一方、紙・パルプ関連の輸送が好調で、全体としては安定した動きを見せています。しかし、人手不足が深刻であり、トラックの稼働率に影響を及ぼしています。この問題は輸送業界全体で解決が進んでおらず、労働環境の改善が急務とされています。

建設業においては、需要が堅調であるものの、建設費の高騰と人材不足が引き続き課題となっています。特に官公庁の入札不調が顕著であり、民間投資も抑制される傾向にあります。これにより、地域のインフラ整備や再開発が計画通りに進まない可能性が指摘されています。一方で、冬季の建設作業が順調に進行しており、年度計画の達成が見込まれる現場も多いことから、一定の安定性は確保されています。

雇用市場では、有効求人倍率がわずかに上昇したものの、新規求人数が前年を下回るなど、全体的な不安定さが続いています。特にアルバイトやパートの求人が減少していることが顕著で、小売業やサービス業では増員を見送る企業が増えています。一方で、冬のボーナス後に転職活動を行う人材の動きが予想されており、人材市場が一時的に活性化する可能性があります。このような状況において、企業がどのようにして採用活動を継続し、質の高い人材を確保していくのかが問われています。

地域社会に目を向けると、観光型ホテルや高級レストランが堅調な動きを見せる一方で、地元消費の減少が課題となっています。タクシー業界では、乗務員の増加による稼働台数の拡大が売上の大幅な増加につながりましたが、これも冬季の季節要因によるもので、持続性があるかどうかは不透明です。また、物価高騰の影響で消費者の購買行動が変化しており、不要不急の支出を控える傾向が強まっています。こうした消費行動の変化は、地域経済全体に影響を及ぼしており、特に商店街や小規模店舗が苦戦を強いられています。

このように、北海道の経済は一部の分野で明るい兆しを見せる一方で、多くの分野で物価高や人手不足などの課題が顕著となっています。これらの課題を克服するためには、政府や自治体、企業が連携して地域経済の安定と成長を目指すことが求められます。また、観光業をはじめとする回復基調にある分野をさらに強化し、それを他の産業分野へ波及させることで、地域全体の活性化を図ることが可能となるでしょう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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