2025年1月18日
労務・人事ニュース
令和6年11月 三重県の有効求人倍率1.13倍、全国34位で求人減少が課題
一般職業紹介状況(令和6年11月内容)(三重労働局)
三重労働局が発表した令和6年11月時点の雇用動向に関する報告によると、県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.13倍であり、前月より0.02ポイント減少しました。この値は全国平均の1.25倍を下回り、三重県は全国第34位という結果でした。一方、就業地別の有効求人倍率は1.34倍で、こちらも前月を0.01ポイント下回り、全国第25位となっています。求人倍率の減少は、有効求人数が減少し、有効求職者数がわずかに増加したことが要因と考えられます。
新規求人倍率については、季節調整値で1.79倍を記録し、前月比で0.28ポイント低下しました。特に新規求人数は8,915人で、前月より15.6%減少しており、新規求職申込件数の減少幅を上回る結果となっています。こうしたデータから、求人の動きに停滞が見られ、改善にはまだ弱さがあると評価されています。
産業別の新規求人数を見ると、建設業は前年同月比で1.5%増加したものの、製造業(6.0%減)、運輸業・郵便業(14.1%減)、医療・福祉(19.0%減)など、多くの産業で減少が見られました。特に生活関連サービス業・娯楽業では35.7%の大幅な減少が記録されており、観光やレジャー関連の需要の低迷がうかがえます。
一方、新規求職申込件数も前年同月比で4.0%減少しており、新規常用求職者数においても3.8%の減少が確認されました。特に離職者数は2,667人で前年同月比0.6%減少しましたが、事業主都合による離職者が561人で4.5%増加しており、この傾向は3か月連続で続いています。また、定年退職者も11.7%増加しており、高齢化社会における労働市場への影響が反映されています。
正社員の求人状況も厳しいもので、有効求人数は13,688人で前年同月比4.1%減少、有効求職者数も13,468人で同2.3%減少しました。これにより、正社員の有効求人倍率は1.02倍と、前年同月を0.01ポイント下回る結果となっています。このデータからも、安定した雇用の確保が依然として課題であることが示されています。
地域別に見ると、三重県内のすべてのハローワーク管轄地域で有効求人倍率が前年同月を下回りました。特に桑名市と伊賀市の2地域では1倍を下回り、雇用の需給バランスの改善が必要とされています。
さらに、ハローワークインターネットサービスの利用が拡大し、オンライン上での求職登録や求人への直接応募件数が増加したことも、雇用市場のデータに影響を与えています。このようなデジタル化の進展は、求職者と企業のマッチングの向上を図る一方で、地域差や業種ごとの需要との整合性を取ることが重要です。
以上のデータを基に、三重県内の雇用情勢は求人が求職を上回っているものの、その増加ペースは鈍化しており、持続的な改善には至っていない状況です。県内企業や採用担当者にとって、こうした雇用動向を踏まえた採用計画の見直しや、求人市場での競争力強化が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ