2025年1月18日
労務・人事ニュース
令和6年11月 京都府の有効求人倍率1.25倍に上昇、労働市場の回復が鮮明に
報道発表資料 京都府内の雇用失業情勢(令和6年11月分)(京都労働局)
令和6年11月現在、京都府内の雇用情勢は、緩やかに持ち直しつつあるものの、依然として一部厳しい状況が残っています。最新のデータによると、有効求人倍率(季節調整値)は1.25倍で、前月から0.02ポイント上昇しました。これは、全国平均と同水準です。この上昇は、有効求人数が53,900人と前月比で1.5%増加した一方で、有効求職者数も43,265人と0.6%増加したことによるものです。特に正社員の有効求人倍率(原数値)は1.07倍と前年同月比で0.10ポイント上昇しており、正社員求人が24,960人で、全求人に占める割合が45.6%に達しています。
新規求人倍率については、2.40倍となり前月比で0.08ポイント低下しました。新規求人数が18,459人と2.7%減少した一方で、新規求職者数が7,688人と0.3%増加したためです。これらの動向から、新規求人市場はやや抑制されているものの、全体的な労働需給の緩和が続いていることが示唆されます。
地域別に見ると、京都市内の主要エリアである京都西陣や京都七条では有効求人倍率がそれぞれ1.25倍と1.28倍で、地域差はあるものの多くのエリアで前年同月より改善が見られます。中でも伏見や宇治地区では、倍率が1.42倍と1.39倍と高水準を維持しており、地域によっては求人が求職を上回る状況が続いています。一方、京都田辺では0.90倍と低めで、地域格差が顕著です。
雇用保険関連の指標を見ても、安定した雇用環境が見受けられます。令和6年11月末時点で雇用保険の適用事業所数は47,844件と前年同月比0.8%増加し、被保険者数も770,177人と0.2%増加しました。しかし、受給資格決定件数は1,878人と前年同月比8.5%減少しており、受給者実人員も8,268人と6.8%減少しています。このように、失業関連の指標は減少傾向にある一方で、雇用保険制度の利用者が少なくなっている点が注目されます。
また、産業別では、製造業や情報通信業、宿泊業・飲食サービス業などで新規求人数が増加している一方で、教育・学習支援業や卸売業、小売業では減少傾向が見られました。これらの動向は、経済構造の変化や新型コロナウイルスの影響を受けた需要変化を反映していると考えられます。
今後の課題として、物価上昇が雇用に与える影響が懸念されています。企業側はコスト増加を吸収する一方で、雇用の安定を図る努力が求められます。また、正社員の求人比率が上昇している点は労働市場の改善を示す一方で、非正規雇用の需要とのバランスを取る必要があります。
京都労働局では、地域ごとの雇用環境を把握しつつ、労働市場の改善に向けた政策を推進しています。採用活動を行う企業にとっては、このようなデータを活用し、地域特性や求職者のニーズを考慮した戦略を立てることが成功の鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは京都労働局のWEBサイトへ