2025年1月17日
労務・人事ニュース
令和6年11月 石川県 最新雇用データ 有効求人倍率1.57倍で5か月ぶりの低下
最近の雇用失業情勢 令和6年11月分(石川労働局)
令和6年11月における雇用状況の最新データによれば、有効求人倍率(季節調整値)は1.57倍と、前月比で0.02ポイント低下しました。これは5か月ぶりの低下を意味しており、雇用市場における需給バランスの変化を反映しています。同月の有効求人数は27,289人で、前月比1.9%減少しました。一方、有効求職者数は17,355人で、前月比0.5%減少しています。
さらに、新規求人倍率(季節調整値)は2.70倍で、前月比0.19ポイント低下しました。このような動向は、求人需要がやや抑制されつつある状況を示唆しています。同時に、正社員の有効求人倍率(原数値)は1.38倍と、前年同月比で0.09ポイント上昇しており、正社員を求める動きが引き続き堅調であることが分かります。
産業別に見ると、建設業、製造業、医療・福祉、複合サービス事業などでは新規求人数が増加しています。具体的には、建設業では24.9%増加し、医療・福祉分野では4.8%の増加が見られました。一方、情報通信業や卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などでは求人数が減少しています。特に、情報通信業では前年同月比で51.1%減少しており、この分野での雇用需要が著しく低下している点が注目されます。
地域別の動向においては、石川県内の各職業安定所で有効求人倍率に差が見られました。金沢地区では3.53倍と最も高く、一方で輪島地区は1.10倍にとどまりました。この地域差は、雇用市場の状況や産業構造の違いを反映しているものと考えられます。また、受理地別と就業地別の有効求人倍率には若干の差異が見られ、受理地別の倍率が1.57倍であるのに対し、就業地別では1.49倍となっています。
新規求職者の動向にも興味深い傾向が見られます。令和6年11月における新規求職者数は2,733人で、前年同月比で11.3%減少しました。この中で、離職者は1,725人で前年同月比8.4%の減少、在職者は771人で16.7%減少しています。これらのデータは、雇用の安定性が若干向上した可能性を示唆していますが、一部産業では人手不足の懸念が続いていることも考えられます。
企業が注目すべきもう一つの指標は、職業別の有効求人倍率です。例えば、建築・土木・測量技術者の求人倍率は10.53倍、医師や薬剤師などの専門職では7.26倍と、特定分野での人材不足が顕著です。一方、一般事務職は0.47倍と低く、競争が激しい状況が伺えます。このような職業ごとの需要と供給のバランスを理解することは、採用戦略を立案する上で不可欠です。
まとめとして、令和6年11月の雇用情勢は、全体として安定した動きを見せながらも、一部地域や産業においては課題が見られる状況です。企業にとっては、求人数の減少や地域ごとの求人倍率の差異を踏まえた柔軟な採用戦略が求められます。また、特定分野での人材不足への対応や、地域別の雇用ニーズに応じた対策を講じることが重要です。
⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ