労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和6年11月 茨城県 有効求人倍率1.32倍、雇用情勢の改善鈍化―最新データで示される採用戦略の必要性

2025年1月16日

労務・人事ニュース

令和6年11月 茨城県 有効求人倍率1.32倍、雇用情勢の改善鈍化―最新データで示される採用戦略の必要性

県内の雇用情勢の概況(令和6年11月分)(茨城労働局)

令和6年11月の雇用情勢について、最新データが発表されました。このデータは、企業の採用活動や労働市場の動向を理解するための重要な指標を示しています。県内における有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月比0.02ポイント減少しました。この結果から、雇用情勢は求職者に対する求人の優位性が続いているものの、その改善速度が鈍化していることが明らかとなっています。有効求人数は47,407人で前月比1.5%減少、有効求職者数は35,868人で前月比0.3%減少し、いずれも2か月連続の減少となりました。

新規求人倍率(季節調整値)は2.16倍と、前月から0.15ポイント上昇しました。特に「宿泊業、飲食サービス業」や「生活関連サービス業、娯楽業」などでは新規求人が増加しており、それぞれ前年同月比13.4%、20.3%の伸びを記録しています。一方、「製造業」や「卸売業、小売業」では求人が前年同月比23.4%、26.2%と大幅に減少しており、産業別で雇用需要の格差が広がっています。

また、正社員有効求人倍率(原数値)は1.12倍で、前年同月比0.01ポイント減少しました。新規求人数は前年同月比で5.1%減少し、7か月連続の減少となっています。この状況は、多くの産業が物価上昇や景気変動の影響を受け、人材需要の変化が現れていることを示唆しています。

失業保険関連のデータでは、雇用保険失業給付の受給資格決定件数が前年同月比6.2%減、受給者数が同5.8%減と、いずれも2か月連続で減少しました。これにより、求職者が仕事を見つけやすくなったのか、または失業保険を受給する余地が狭まっているのかについては、さらなる分析が必要です。

県内の採用市場は、新型コロナウイルス感染症からの回復期を経て、産業ごとに異なる課題と機会が浮き彫りとなっています。例えば、「公務・その他」部門は28.5%の新規求人増を記録し、求人数が大きく伸びた分野の一つです。一方で、「建設業」や「卸売業、小売業」では求人の減少が続いており、特に「建設業」は前月比で14.5%の減少を示しました。

このような変化は、地域経済や業界全体の回復動向を探る指標となるだけでなく、企業が求めるスキルや経験に大きな影響を及ぼします。例えば、専門的な知識が必要とされる「学術研究、専門・技術サービス業」では3.8%の新規求人増加が見られ、この分野での採用ニーズが拡大していることが示唆されます。一方、労働者の流動性や働き方改革が進む中、「常用的パートタイム」の新規求職申込件数は前年同月比でわずか0.3%の減少にとどまり、多様な雇用形態への需要が続いています。

企業が採用計画を立てる際には、こうしたデータを活用し、地域特性や産業動向を把握することが求められます。特に有効求人倍率や新規求人倍率の変動は、競合他社との人材確保競争や求人広告の効果を予測する上で重要な指標となります。また、求職者数の減少傾向を踏まえ、リテンション施策や従業員満足度向上の取り組みも重要性を増しています。

以上のデータから見えるのは、採用担当者が競争優位性を保つためにより緻密な採用戦略が必要であるということです。市場動向の分析を基に、効率的な採用活動を展開することが、持続的な成長に寄与する鍵となるでしょう。

⇒ 詳しくは茨城労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ