2025年1月19日
労務・人事ニュース
令和6年11月 鹿児島の有効求人倍率が1.12倍に上昇
鹿児島の雇用失業情勢(令和6年11月分)の概要について(鹿児島労働局)
鹿児島労働局が発表した最新の雇用状況に関する報告では、県内の有効求人倍率が1.12倍で、前月から0.01ポイント増加したことが明らかになりました。この数値は全国平均の1.25倍と比較すると低いものの、九州全体で見れば7番目に位置しています。また、有効求人数は38,689人で、2か月連続の増加を記録しました。一方、有効求職者数も34,521人と3か月連続で増加しています。このことから、求人倍率の改善は見られるものの、物価上昇などの経済的要因が引き続き雇用市場に影響を及ぼしていると考えられます。
新規求人に関しては、12,587件が報告されましたが、前年同月比で9.5%の減少が見られます。特に減少が顕著であったのは宿泊業・飲食サービス業で、前年同月比23.3%の減少となりました。建設業、製造業、運輸・郵便業などでも減少が見られ、県内の主要産業全体にわたる求人動向の低迷が浮き彫りになっています。求職者数についても、新規申込件数は5,512件で前年同月比4.3%の減少を記録しました。
一方で、鹿児島労働局が特に注目しているのは、高年齢者の雇用確保措置の進捗状況です。令和6年6月1日時点で、県内企業の99.9%が65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施していることが確認されました。このうち、「継続雇用制度」を採用している企業が62.6%を占め、前年より1.9ポイント減少したものの最も一般的な措置とされています。また、定年を廃止している企業は全体の3.3%、定年を引き上げた企業は34.1%にのぼります。これらの取り組みは、生涯現役社会を目指す取り組みの一環であり、特に中小企業での対応が進んでいることが特徴です。
さらに、70歳までの就業確保措置を導入した企業は全体の39.9%で、前年から2.5ポイント増加しました。特に中小企業では40.3%の実施率を記録し、大企業の31.4%を上回っています。この取り組みは、定年廃止や継続雇用制度に加え、業務委託契約や社会貢献事業への従事を促進する制度の導入を含んでいます。これにより、高齢者の多様な働き方を実現し、地域経済の活性化を図る狙いがあります。
また、正社員の求人倍率にも注目が集まります。令和6年11月時点で正社員有効求人倍率は1.04倍と、前年同月から0.01ポイントの減少が見られました。この減少は、特に中高年層の求職者数が増加した一方で、求人数が減少したことによるものです。雇用保険受給者数も4か月連続で減少しており、特に離職者の動向が注視されています。
鹿児島労働局は今後も、地域の雇用情勢を注視しつつ、雇用の安定化に向けた取り組みを推進していく方針です。具体的には、ハローワークを中心とした職業紹介の強化や、企業への助成金制度を通じた雇用確保の支援を行う予定です。これにより、求職者と求人企業のマッチングを促進し、地域の労働市場をさらに活性化させることが期待されています。
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ