2025年2月13日
労務・人事ニュース
令和6年12月の千葉県有効求人倍率は1.03倍に上昇!企業の採用状況と雇用市場の動向
最近の雇用失業情勢(令和6年12月分及び令和6年分)(千葉労働局)
千葉労働局が発表した最新の雇用情勢に関するデータによると、千葉県内の雇用状況は緩やかに回復傾向にあるものの、一部に弱い動きが見られる。物価上昇などの影響が雇用市場に及ぼす可能性があるため、慎重に動向を見守る必要がある。
令和6年12月の有効求人倍率(季節調整値)は受理地別で1.03倍となり、前月から0.01ポイントの上昇を記録した。就業地別では1.27倍で、前月と同水準を維持している。一方、新規求人倍率(季節調整値)は1.86倍となり、前月から0.02ポイントの低下が見られた。年間の有効求人倍率(原数値)においては、0.98倍と前年から0.03ポイント下落している。
有効求人数(季節調整値)は前月比0.5%増加し、有効求職者数はほぼ横ばいとなった。新規求人倍率の低下に関しては、新規求人数が前月比5.4%増加したものの、新規求職者数が6.5%増加したことが影響している。なお、正社員の有効求人倍率は0.87倍となり、前年同月から0.05ポイント上昇した。
求人の動向を産業別にみると、新規求人数(原数値)は前年同月比で1.9%増加しており、2か月ぶりの増加となった。特に教育・学習支援業では27.2%増と大幅な伸びを示したが、製造業では10.5%の減少が見られた。このことから、産業によって求人動向に大きな差があることが分かる。
求職者数の動向については、有効求職者数(原数値)が前年同月比で3.4%減少し、4か月連続の減少となった。一方で、新規求職者数(原数値)は前年同月比3.4%増加し、2か月ぶりの増加を記録している。このことから、新規に求職を開始する人の数は増加しているものの、全体の求職者数は減少傾向にあることが分かる。
雇用保険の受給状況をみると、雇用保険受給者実人員は17,756人で、前年同月比1.2%増加している。一方、受給資格決定件数は前年同月比6.7%減少し、3か月ぶりの減少となった。これらのデータから、失業者のうち一定数が再就職しているものの、新たに失業状態となる人も増えていることがうかがえる。
全国の動きと比較すると、厚生労働省が発表した令和6年12月の全国有効求人倍率(季節調整値)は1.25倍で、前月と同水準だった。全国の新規求人倍率(季節調整値)は2.26倍で、前月から0.01ポイント増加した。全国的にみても、新規求人数は前年同月比で3.7%減少しており、求職者数も2.1%減少している。
産業別にみると、全国では情報通信業(9.3%増)、宿泊業・飲食サービス業(5.2%増)などで求人が増加した一方で、生活関連サービス業・娯楽業(8.6%減)、製造業(7.6%減)、運輸業・郵便業(6.1%減)などで求人が減少した。千葉県の動向と全国の動向を比較すると、教育・学習支援業の求人増加が県内では顕著だった一方で、全国では情報通信業の伸びが目立つ。
職種別に見ると、専門的・技術的職業の有効求人倍率は1.53倍で、前年同月比で0.05ポイント上昇した。販売職の有効求人倍率は1.03倍と、前年から0.06ポイントの減少が見られる。サービス職は2.47倍と比較的高い数値を維持しているが、前年同月比で0.08ポイント上昇にとどまった。建設・採掘職では6.53倍となり、前年同月比で0.61ポイントの上昇が見られる。
企業の採用担当者にとって注目すべき点は、業種による求人の増減や求職者の動向の違いである。例えば、教育・学習支援業の求人は大幅に増加しており、教員や塾講師などの採用に積極的な動きが見られる。一方、製造業の求人は減少しており、製造業界での採用は厳しさを増している可能性がある。
また、雇用保険の受給者が増加傾向にあることから、再就職を目指す求職者の数が一定数存在することが分かる。採用活動を行う企業にとっては、このような求職者の動向を踏まえた戦略を立てることが重要となる。特に、新規求職者数が増加していることから、求職者に対して魅力的な雇用条件を提示することで、優秀な人材を確保しやすくなる可能性がある。
⇒ 詳しくは千葉労働局のWEBサイトへ