2025年2月10日
労務・人事ニュース
令和6年12月の有効求人倍率は1.02倍に上昇!前月比0.01ポイント増で雇用市場に回復の兆し
一般職業紹介状況(令和6年12月分)について(滋賀労働局)
滋賀労働局が発表した最新の雇用統計によると、令和6年12月の有効求人倍率は1.02倍となり、前月比で0.01ポイント上昇しました。これは2か月ぶりの上昇であり、県内の雇用情勢が若干ながら回復傾向にあることを示しています。一方で、新規求人倍率は1.86倍と、前月から0.28ポイント上昇し、3か月ぶりの増加を記録しました。これは、新たな求人の増加が活発化していることを示しており、県内企業の採用意欲が高まっていることを示唆しています。
有効求人数(季節調整値)は22,639人で、前月比1.6%(363人)増加しました。新規求人数も8,937人と、前月比22.6%(1,645人)増加し、3か月ぶりの増加を記録しました。産業別に見ると、建設業は2.3%増、製造業は0.9%増、宿泊業・飲食サービス業は17.6%増、サービス業全般では21.0%増と、それぞれ前年同月比で増加しました。特に宿泊業や飲食サービス業の伸びが大きく、観光需要の回復が雇用増に貢献していると考えられます。
一方で、情報通信業の新規求人数は65.3%減、運輸業・郵便業は19.6%減、卸売業・小売業は12.7%減と、特定の業界では依然として雇用の縮小が続いています。また、学術研究・専門技術サービス業は28.2%減、生活関連サービス業・娯楽業は10.6%減、医療・福祉も6.2%減となっており、これらの業界では人材需要が低下している状況です。
正社員の有効求人倍率(原数値)は0.85倍で、前年同月より0.01ポイント上昇しました。これは、正社員としての雇用の機会が増えていることを示すものの、依然として求職者数が求人を上回る状況が続いていることを意味します。新規求職者数(季節調整値)は4,796人で、前月比3.7%(170人)増加し、2か月連続で増加傾向にあります。有効求職者数も22,280人で、前月比0.5%(118人)増加しており、求職活動が活発化していることが伺えます。
また、正社員の新規求人は前年同月比1.0%増加し、非正社員求人は10.0%増加しました。特にパート求人が13.3%増と大きく伸びており、柔軟な働き方を求める求職者にとっては選択肢が広がっていることが分かります。一方で、正社員求人の割合は前年より2.1ポイント低下し、40.2%となりました。
企業の採用担当者にとっては、新規求人倍率の上昇が示すように、人材確保の競争が激化していることが重要なポイントです。特にサービス業や宿泊・飲食業では急激な求人増が見られ、優秀な人材を確保するための採用戦略の見直しが求められます。一方で、情報通信業や運輸業などでは求人の減少が続いており、これらの業界では人材の流動性が低下している可能性があります。
今後の雇用市場の動向としては、景気の回復が雇用の拡大にどのように影響を与えるかが注目されます。物価上昇の影響も考慮しつつ、企業は採用活動の戦略を柔軟に調整することが求められます。また、求職者側も自分のスキルを高め、市場の変化に対応できるような職種選びが重要になりそうです。
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ