2024年7月13日
労務・人事ニュース
令和6年5月の景気動向指数速報:先行指数111.1、一致指数116.5、遅行指数108.0
景気動向指数(令和6年5月分速報)(内閣府)
令和6年7月5日、内閣府経済社会総合研究所の景気統計部は、令和6年5月分の景気動向指数の速報を発表しました。このデータは、先行指数、一致指数、遅行指数の3つの指標で構成され、それぞれの値は令和2年を基準に計算されています。具体的には、先行指数が111.1、一致指数が116.5、遅行指数が108.0となりました。
先行指数については、前月比で0.2ポイントの上昇を記録し、これは3か月ぶりの上昇です。さらに、3か月後方移動平均は0.20ポイントの下降となり、6か月ぶりの下降を示しましたが、7か月後方移動平均は0.28ポイント上昇し、10か月連続の上昇となっています。一致指数は、前月比で1.3ポイント上昇し、3か月連続の上昇を示しました。3か月後方移動平均は1.40ポイント上昇し、2か月連続の上昇となり、7か月後方移動平均は0.13ポイント上昇し、5か月ぶりの上昇を示しました。遅行指数も前月比で2.1ポイント上昇し、これも3か月ぶりの上昇となりました。3か月後方移動平均は0.50ポイント上昇し、2か月連続の上昇を示し、7か月後方移動平均も0.22ポイント上昇し、2か月ぶりの上昇となっています。
一致指数の基調判断に関しては、「下げ止まり」を示しているとされました。この基調判断は、当月のCI一致指数の前月差が一時的な要因に左右されやすいため、3か月後方移動平均と7か月後方移動平均の前月差を中心に評価されます。
注目すべきは、各指数の遡及改訂についてです。例えば、「L4 実質機械受注(製造業)」は、国内品資本財物価指数の遡及改訂に伴い、令和6年2月以降のデータが遡及改訂されました。また、「Lg3 実質法人企業設備投資(全産業)」も、民間企業設備デフレーターの遡及改訂(令和4年4-6月期)により、令和4年4月以降のデータが改訂されています。
景気動向指数の個別系列の推移を見ると、いくつかの指標が重要な寄与をしていることがわかります。例えば、「C1 生産指数(鉱工業)」は2024年5月に103.6を記録し、前月差で0.50ポイントの寄与をしています。「C2 鉱工業用生産財出荷指数」は101.3で、0.55ポイントの寄与がありました。「C3 耐久消費財出荷指数」は111.3で、0.71ポイントの寄与が見られました。一方、「C9 有効求人倍率(除学卒)」は1.24で、マイナス0.28ポイントの寄与を示しました。
このように、景気動向指数の各指標は経済全体の動きを細かく反映しており、その動向を分析することで、今後の経済状況を予測する手がかりとなります。特に、先行指数の上昇は将来の経済回復の兆しを示し、一致指数の連続上昇は現在の景気の安定を示しています。遅行指数の上昇は、過去の経済活動が現在にどのように影響を与えているかを示すものであり、総合的な景気の判断に寄与します。
景気の基調判断については、いくつかの基準が設けられています。例えば、「①改善」は景気拡張の可能性が高いことを示し、3か月以上連続して3か月後方移動平均が上昇し、当月の前月差がプラスであることが条件となります。「②足踏み」は景気拡張の動きが足踏み状態であることを示し、3か月後方移動平均の符号がマイナスに変化し、マイナス幅が1標準偏差分以上であることが条件です。「③局面変化」は景気の谷や山が数か月前にあった可能性を示し、7か月後方移動平均の符号がプラスまたはマイナスに変化し、その幅が1標準偏差分以上であることが条件です。「④悪化」は景気後退の可能性が高いことを示し、3か月以上連続して3か月後方移動平均が下降し、当月の前月差がマイナスであることが条件です。「⑤下げ止まり」は景気後退の動きが下げ止まっている可能性を示し、3か月後方移動平均の符号がプラスに変化し、累積が1標準偏差分以上であることが条件です。
これらの基準に基づき、内閣府経済社会総合研究所は、今後の経済状況を綿密に観察し、適切な政策提言を行っていくことが期待されます。景気動向指数の動きは、企業の投資判断や消費者の購買意欲にも大きな影響を与えるため、その動向を正確に把握することが重要です。特に、先行指数の動きは将来の経済動向を予測する上で重要な指標となり、政策決定者にとっても重要な参考材料となります。
今後も内閣府経済社会総合研究所の景気動向指数に注目し、経済の動きを適切に把握していくことが求められます。この指数は、国内外の経済状況を反映し、多角的な視点から経済の動向を分析するための重要なツールとなります。政策決定者や企業、消費者がこの情報を活用し、経済活動を効果的に行うことが期待されます。
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