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2024年8月9日

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令和6年5月 医療施設動態調査:全国の病院数減少が続く

医療施設動態調査(令和6年5月末概数)(厚労省)

令和6年5月末時点での全国の医療施設の動態について、厚生労働省より最新の報告が公表されました。この調査は、毎月末時点の病院、一般診療所、歯科診療所の施設数と病床数の動向をまとめたものであり、日本全国における医療提供体制の現状を把握するための重要なデータとなっています。

今回の調査によると、全国の病院数は前月と比較して4施設減少し、合計で8,075施設となりました。また、病床数も1,290床減少し、1,473,451床という結果が示されました。この減少傾向は、特に精神科病院で顕著に見られ、1施設減少して1,057施設となり、病床数も524床減少して317,521床となっています。一般病院についても3施設減少し7,018施設、病床数は372床減少して880,763床となりました。このような病院数や病床数の減少は、地域医療提供体制の維持や患者の受け入れ能力に影響を及ぼす可能性があり、注視が必要です。

一方で、一般診療所の数は前月に比べて106施設増加し、105,299施設となっています。これは、全国的に診療所の需要が高まっていることを反映している可能性がありますが、病床数は263床減少し73,745床となりました。これにより、有床診療所は16施設減少し、無床診療所が122施設増加したことが確認されました。また、療養病床を持つ一般診療所も7施設減少しており、療養型の医療提供体制に影響を与える可能性があります。

また、歯科診療所については、前月比で32施設減少し、66,736施設となりました。しかしながら、病床数はわずかに1床増加し、引き続き安定した動きを見せています。この動向は、歯科医療に対する需要と供給のバランスが比較的安定していることを示している可能性があります。

さらに、開設者別の施設数と病床数のデータも報告されており、医療法人が運営する病院が最も多く、5,632施設に達しています。これらの医療法人が持つ病床数は828,713床であり、全体の半数以上を占める結果となっています。次いで国立大学法人や地方独立行政法人が多数の病院を運営しており、それぞれの施設数や病床数の変動は比較的少ない状況です。その他、独立行政法人や国立高度専門医療研究センター、市町村、厚生連などが多様な形で医療施設を運営しており、地域ごとの医療ニーズに応じた多様な医療提供体制が整備されていることが伺えます。

都道府県別の医療施設数と病床数の動向を見ていくと、東京都が全国で最も多くの病院と一般診療所を有していることが明らかになっています。東京都内の病院数は636施設、一般診療所の数は15,081施設に達しており、首都圏の医療インフラが充実していることがわかります。これに次ぐのは大阪府で、病院数501施設、一般診療所8,958施設という結果になっています。大阪府も大都市としての特性から、多くの医療施設が集中しており、地域住民の医療ニーズに対応しています。

一方、地方に目を向けると、北海道が最も多くの医療施設を持つ地域であり、特に療養病床を持つ病院が多いという特徴があります。北海道内の病院数は526施設、一般診療所は3,400施設、そして歯科診療所は2,715施設となっています。北海道の広大な地理的条件や人口分布を考慮すると、医療施設の配置が広範囲にわたっており、地域医療の確保が重要な課題となっていることが伺えます。

このような全国的な医療施設の動態データは、地域ごとの医療提供体制の現状を把握し、今後の医療政策や医療体制の見直しに役立てられることが期待されます。また、病院や診療所の数が増減する背景には、人口の高齢化、医療ニーズの変化、地域間の医療資源の偏在など、複数の要因が影響していることが考えられます。これらのデータを基に、各地域で適切な医療サービスを提供するための施策が求められるでしょう。

今後も、医療施設の動態調査は定期的に実施され、その結果をもとに地域ごとの医療ニーズに応じた適切な医療体制の構築が進められることが重要です。政策立案者や医療機関、地方自治体が連携し、持続可能な医療提供体制を築いていくことが求められます。特に、病院数や病床数の減少が続く中で、地域医療の質を維持し、すべての人々が必要な医療を受けられる環境を整えるための努力が求められます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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