2024年11月18日
労務・人事ニュース
令和6年6月、歯科医療費が前年同月比1.7%増加!制度別・地域別動向を徹底分析
最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和6年度6月号)(厚労省)
令和6年6月、厚生労働省が歯科医療費の動向に関する最新のレポートを公表しました。この報告によると、令和6年6月の歯科医療費の総額は前年同月比で1.7%増加し、1日あたりの医療費も2.2%上昇しています。一方で、受診延日数は0.5%減少しました。制度別では、被用者保険で4.6%の増加が見られたものの、国民健康保険は5.7%減少しています。特に年齢層別に見ると、95歳以上の患者に対する医療費が10.7%増加しており、75歳未満の年齢層では減少傾向が見られました。
また、医療機関の種類によっても動向が異なり、歯科病院における医療費の増加率は2.4%、歯科診療所では1.6%となっています。都道府県別のデータをみると、愛知県の医療費が4.8%と最も大きく増加し、北海道では3.1%の減少が記録されました。このように地域や年齢による医療費の増減傾向が顕著であり、今後の医療政策の参考になるデータが提供されています。
歯科疾病分類別では、歯周炎などの治療費が2.0%、歯肉炎が8.8%増加しましたが、う蝕(虫歯)に関する治療費は2.1%減少し、補綴関連の治療費も5.3%減少しました。さらに、歯科用貴金属の医療費は、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の使用量が24.2%減少しており、歯科治療の素材選択にも変化が見られるようです。
診療内容別では、処置にかかる医療費が7.5%、検査・病理診断が7.0%と比較的高い伸び率を示しましたが、歯冠修復および欠損補綴に関連する費用は5.5%減少しています。これらの変化は、歯科医療の現場で診療内容や診断技術が多様化しつつあることを反映していると考えられます。
令和6年度の4月から6月までの総医療費は、前年同期比で3.0%増加していますが、月ごとの伸び率を見ると6月はわずかに1.7%の増加にとどまりました。被用者保険が堅調に推移している一方で、国民健康保険や公費負担の医療費は減少傾向にあり、全体の医療費構成の中での割合が変動しています。さらに、後期高齢者医療制度の医療費は2.5%の増加を示しており、高齢者の医療需要の高まりがうかがえます。
医療費の件数については、6月の被用者保険の件数が前年同月比で4.7%増加している一方で、国民健康保険の件数は3.2%の減少となっています。都道府県別の受診延日数では、受診日数が最も多い愛知県が4.8%増加し、北海道が3.1%減少するなど、地域別の医療需要のばらつきが明確に現れています。
今回の報告書は、歯科医療費の動向を詳細に把握するため、月ごとの変動や制度別・年齢別の動向を明らかにし、政策策定に資する内容となっています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ