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2024年9月8日

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令和6年6月の平均給与は4.5%増の498,887円、パートタイム労働者の増加が顕著

毎月勤労統計調査 令和6年6月分結果確報(厚労省)

令和6年6月の毎月勤労統計調査結果に基づく、雇用・賃金に関する最新の状況を詳述します。この調査は、32,686事業所を対象に行われ、そのうち25,317事業所から有効な回答が得られ、回収率は77.5%でした。

まず、現金給与総額については、前年同月比で4.5%増加し、498,887円となりました。特に一般労働者においては5.0%増の665,313円、パートタイム労働者では5.7%増の121,664円となり、パートタイム労働者の給与増加率が目立ちます。所定内給与は、一般労働者が334,354円(2.7%増)、パートタイム労働者が時間当たり1,335円(4.7%増)であり、特にパートタイム労働者の時間当たり給与が顕著に上昇していることが示されています。

一方で、所定外給与は、全体で19,397円(0.9%増)と小幅な増加にとどまりましたが、パートタイム労働者では2.7%増加し、2,944円となりました。また、特別に支払われた給与は215,007円と前年同月比で7.8%増加しており、特にパートタイム労働者においては46.1%の大幅な増加が見られます。

実質賃金は、現金給与総額で前年同月比1.1%減少し、全体的には賃金が物価上昇に追いついていない状況が浮き彫りになっています。特にパートタイム労働者の実質賃金は2.4%の減少となっており、賃金の名目増加が実質的な購買力に反映されていないことが伺えます。

月間の実労働時間数は、全体で140.1時間と前年同月比で3.1%減少しました。特に、所定内労働時間が130.1時間(3.1%減)、所定外労働時間が10.0時間(2.9%減)となっており、労働時間の短縮傾向が続いています。パートタイム労働者の実労働時間も81.7時間と1.9%減少しており、全体的な労働時間の短縮がみられます。

雇用の状況に関しては、常用雇用者数が50,982千人と前年同月比で1.1%増加しており、その中でも一般労働者は3.1%増加の35,332千人、パートタイム労働者は3.0%減少の15,650千人となりました。特に、パートタイム労働者比率が30.70%と前年同月比で0.54ポイント上昇しており、労働市場においてパートタイム労働者の重要性が増していることが示されています。

産業別に見ると、建設業や製造業、電気・ガス業、金融業、保険業などでの給与の増加が顕著でした。特に卸売業、小売業では、前年同月比で7.8%増加し、393,260円となり、また、金融業、保険業では8.2%増加して986,900円に達しています。このように、特定の産業において賃金の上昇が見られますが、一方で不動産・物品賃貸業や複合サービス事業では賃金が減少しており、産業間での賃金動向に大きな差があることが明らかになっています。

また、総実労働時間についても、産業別に大きな差が見られます。例えば、鉱業、採石業では総実労働時間が前年同月比で9.9%減少し157.2時間、飲食サービス業等では3.8%減少して89.0時間となっています。一方、運輸業、郵便業では169.2時間と比較的長い実労働時間が維持されていますが、前年同月比で0.8%の減少が見られます。

さらに、産業別のパートタイム労働者比率も注目すべき点です。飲食サービス業等では77.57%と非常に高い比率を示しており、前年同月比で0.76ポイントの上昇が見られます。一方で、製造業では12.95%と低い比率にとどまっていますが、これは前年同月比でわずか0.04ポイントの増加です。このように、産業によってパートタイム労働者の占める割合に大きな差があることが分かります。

このように、令和6年6月の毎月勤労統計調査からは、労働市場における賃金の上昇と実質賃金の減少、労働時間の短縮傾向、そしてパートタイム労働者の増加という複雑な状況が浮かび上がっています。企業の採用担当者にとっては、これらのデータを参考に、労働市場の動向を把握し、適切な人材戦略を立てることが重要です。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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