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2024年10月3日

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令和6年7月の労働時間統計 全産業平均141.5時間で前年比0.6%増加、企業に与える影響とは?

毎月勤労統計調査 令和6年7月分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)

最近の労働市場において、従業員の労働時間と効率は企業にとって重要な課題となっています。令和6年7月の労働時間に関する調査データによると、全産業での平均的な総実労働時間は141.5時間となり、前年同月比で0.6%増加しました。この総実労働時間のうち、所定内労働時間は131.4時間で0.8%の増加を見せています。一方、所定外労働時間は10.1時間とされ、前年と比較して特に大きな変動は見られませんが、企業によってはこの数字に注意を払う必要があります。

業界別の詳細を見ると、鉱業や採石業などの産業では、総実労働時間が167.1時間に達し、前年同月比で-2.8%の減少が見られました。これは、所定外労働時間が13.6時間に上り、前年比0.2%の増加が影響している可能性があります。出勤日数もこの業界で20.9日となり、前年と比べて0.1日の微増が見られています。このような労働時間の動向は、特に産業ごとの労働環境を反映しており、企業が労働力のマネジメントを行う際の重要な指標となるでしょう。

一方で、調査産業全体では、所定外労働時間が10.1時間と、前年に比べてわずかに増加しています。これにより、残業の負担が業界全体で若干増加していることが示唆されます。多くの企業にとって、残業時間の管理は労働効率の向上や従業員の健康管理に直結する課題であり、法規制の遵守が厳しく求められる中、今後さらに注視する必要があるでしょう。

特に注目すべき点として、就業形態別に見た場合、フルタイム従業員の総実労働時間は、調査産業全体の平均と比較して高めの傾向が見られます。これは、多くのフルタイム従業員が所定内労働時間を超えた労働を行っていることを示しており、企業が柔軟な働き方を導入することで、この負担を軽減する余地があるかもしれません。また、フレックスタイム制度やテレワークなどの導入が、従業員のワークライフバランスを改善し、結果として労働時間の効率化に寄与する可能性もあります。

これらのデータは、企業が採用戦略や人材管理方針を検討する際の重要な参考資料となります。例えば、労働時間が長い業界では、従業員の健康リスクや離職率の増加に直面する可能性があり、それに対する対応策が求められます。反対に、労働時間が短い業界では、生産性向上や効率的な業務配分が今後の課題として浮上することが予想されます。いずれにせよ、労働時間データの分析は、従業員のパフォーマンスを最適化し、企業全体の生産性を向上させるための鍵となるでしょう。

また、出勤日数に関するデータも、企業にとって有益です。全体として、平均的な出勤日数は18.3日となり、前年比で0.3日の増加が確認されました。この数字は、企業が導入している働き方改革や柔軟な勤務形態が労働者の勤務日数に与える影響を示すものとして興味深い結果となっています。例えば、テレワークの普及が進んでいる企業では、出勤日数が減少する一方で、リモートワークの効果的な活用が業務効率に貢献していることが考えられます。

企業の採用担当者にとって、これらのデータは新たな人材戦略を考案する際の重要なヒントとなります。特に、どの業界でどのような労働時間や出勤日数が求められるかを把握することで、適切な労働条件を提示し、優秀な人材を確保するための競争力を高めることが可能です。たとえば、労働時間が長い業界であれば、ワークライフバランスの改善を目指すための施策を強化し、フレキシブルな勤務体制を導入することで、求職者の関心を引きつけることができるでしょう。

さらに、所定外労働時間のデータからも、従業員の負担を減らすための改善策を講じることができます。特に、残業時間が長い業界では、労働生産性の向上や効率的な業務フローの構築が求められるでしょう。また、従業員の満足度向上を図るため、従業員の声を積極的に取り入れ、働きやすい環境を整備することが重要です。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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