2024年9月3日
労務・人事ニュース
令和6年7月の千葉県雇用統計 宿泊・飲食業で43.9%の求人増加が顕著
最近の雇用失業情勢(令和6年7月分)(千葉労働局)
千葉労働局が令和6年7月分の雇用失業情勢について発表しました。発表によると、県内の雇用失業情勢は、持ち直しの兆しが見られるものの、依然として弱さが残っているとのことです。特に物価上昇が雇用に与える影響には注意が必要とされています。
具体的なデータを見ると、季節調整値での有効求人倍率は0.98倍で、前月と同水準を維持しています。就業地別の有効求人倍率は1.23倍で、前月から0.02ポイント上昇しました。一方、新規求人倍率は1.89倍で、前月から0.02ポイント低下しました。このデータからも、雇用の回復が一部で進んでいる一方で、新たな求人の伸び悩みが見られることが分かります。
また、正社員の有効求人倍率は0.75倍で、前年同月から0.01ポイント上昇しました。しかしながら、有効求人数は前年同月と比べて1.6%減少しており、14ヵ月連続の減少が続いています。一方で、新規求人数は前年同月比で5.7%増加しており、3ヵ月ぶりに増加に転じました。特に宿泊業や飲食サービス業では43.9%増という大幅な増加が見られる一方で、卸売業や小売業では8.5%減少している点が注目されます。
求職者の動向についても触れておくと、有効求職者数は前年同月比で0.8%増加し、10ヵ月連続で増加しています。新規求職者数も前年同月比で6.0%増加し、こちらも3ヵ月ぶりの増加となっています。これらのデータからは、依然として厳しい雇用環境にあるものの、一部で改善の兆しが見られることがうかがえます。
さらに、雇用保険の受給者数についてもデータが示されており、7月の受給者数は19,600人と前年同月比で3.4%増加しています。このように、雇用保険の受給者数が増加していることから、依然として経済的な困難を抱える人々が多いことが分かります。
全国の動きに目を向けると、厚生労働省が発表した令和6年7月の有効求人倍率は1.24倍で、前月から0.01ポイント上昇しています。新規求人倍率は2.22倍で、前月から0.04ポイント低下しています。これらのデータからも、全国的に雇用の回復が進んでいるものの、新規求人の伸び悩みが見られることが確認できます。特に、学術研究、専門・技術サービス業や情報通信業、医療・福祉の分野で求人が増加している一方で、教育・学習支援業や製造業では減少が見られます。
最後に、企業の採用担当者が注目すべきポイントとして、求人倍率や求職者数の動向を挙げておきます。求人倍率の低下や求人数の減少は、求職者にとって厳しい状況を意味する一方で、採用担当者にとっては競争の激化を意味します。そのため、今後の採用戦略を練る際には、これらのデータを十分に考慮することが求められるでしょう。
千葉県の有効求人倍率は0.98倍、宿泊業の求人は43.9%増加も小売業は減少
千葉県の労働市場は、現在複雑な局面にあります。令和6年7月のデータを見ると、雇用情勢は持ち直しの兆しを見せているものの、依然として不安定な要素が多く存在しています。特に物価の上昇が雇用市場に与える影響は無視できず、企業や労働者の双方にとって慎重な対応が求められています。
千葉県の有効求人倍率は0.98倍で、前月と同水準を維持していますが、これは求職者が依然として多くの選択肢を持っていることを示しています。就業地別では1.23倍と若干の上昇が見られ、特に特定の地域や産業での雇用回復が進んでいることが伺えます。しかし、新規求人倍率は1.89倍と低下しており、新たな求人が増えていない現状が浮き彫りになっています。このようなデータは、企業が新規採用を抑制している可能性を示しており、その背景にはコスト増や市場の不確実性が影響していると考えられます。
さらに、千葉県の労働市場においては、特定の産業が大きな影響を受けています。宿泊業や飲食サービス業は前年同月比で43.9%の新規求人数増加を記録しており、観光や外食産業が再び活気を取り戻していることが見て取れます。一方で、卸売業や小売業では8.5%の減少が見られ、消費者行動の変化やオンラインショッピングの普及などが影響していると考えられます。このような産業別の求人動向は、千葉県の地域経済に直接的な影響を与えており、各産業での雇用の質や量の変化が今後の課題となるでしょう。
また、雇用保険の受給者数が増加していることも注目すべき点です。7月の受給者数は19,600人で、前年同月比3.4%増となっています。これは、解雇や雇用契約の終了が依然として多いことを示しており、特に中小企業や一部の産業での雇用不安が続いていることが原因と考えられます。このような状況下で、千葉県内の企業は、人材の確保と維持に一層の努力を求められるでしょう。
全国的な動きと比較しても、千葉県の労働市場は特有の課題を抱えています。厚生労働省が発表した全国の有効求人倍率は1.24倍で、千葉県よりも高い数値を示しています。特に、医療・福祉分野や情報通信業などでの求人増加が目立つ一方で、製造業や教育・学習支援業などでは減少が見られ、産業構造の変化が浮き彫りになっています。千葉県でも同様の傾向が見られ、これに伴う労働市場の変動は今後も続くと予想されます。
総じて、千葉県の労働市場は回復基調にあるものの、依然として多くの課題を抱えており、特に物価上昇や産業ごとの求人動向が企業の採用戦略に大きな影響を与えています。これにより、企業は市場動向を見極めた柔軟な人材戦略が求められる一方で、労働者にとってはより多様な就業機会を模索する必要があると言えます。
⇒ 詳しくは千葉労働局のWEBサイトへ