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2024年10月3日

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令和6年7月の平均給与403,090円!企業が賃金を3.4%増加させた背景とは?

毎月勤労統計調査 令和6年7月分結果確報(厚労省)

令和6年の毎月勤労統計調査によると、賃金の動向や労働時間の変化、そしてパートタイム労働者の比率について、詳細なデータが示されています。この調査は、全国の事業所を対象に実施されており、特に事業所規模が5人以上の企業に関する結果が報告されています。

まず、現金給与総額の平均は、令和6年7月の時点で403,090円となり、前年同月比で3.4%増加しました。一般労働者の平均は530,596円、パートタイム労働者は115,141円であり、それぞれ前年同月比で3.9%、4.2%の増加を記録しています。特に、一般労働者の給与増加が目立ち、その背景には、労働市場の需給バランスやインフレの影響があると考えられます。

「きまって支給する給与」、つまり基本給の部分においては、全体の平均が283,858円で、これも前年同月比で2.2%増加しています。一般労働者の基本給は361,243円で、前年同月比2.5%増、一方パートタイム労働者の基本給は109,097円で、前年同月比3.6%増でした。このような基本給の増加傾向は、企業が人材を確保するために賃金を引き上げる圧力が強まっていることを示唆しています。

所定内給与、すなわち定められた労働時間内で支払われる給与についても、増加が見られます。全体では264,290円で、前年同月比2.4%の増加です。一般労働者の所定内給与は334,353円であり、こちらも前年同月比2.6%増加しています。パートタイム労働者の時間当たりの所定内給与は1,339円で、前年同月比で3.7%増加しました。このことは、パートタイム労働者の給与水準が徐々に改善されていることを示しています。

一方で、所定外労働、つまり残業や休日労働に対して支払われる給与に関しては、全体として減少傾向にあります。所定外給与の平均は19,568円で、前年同月比で0.2%減少しました。特にパートタイム労働者の所定外給与が3,034円と、前年同月比で4.0%の増加が見られる一方、一般労働者の所定外給与は26,890円で、前年同月比0.2%の微増にとどまっています。残業時間の削減が進んでいることや、働き方改革の影響で残業代が減少していることが、この結果に反映されていると考えられます。

特別に支払われた給与、いわゆるボーナスや賞与については、全体で119,232円となり、前年同月比で6.6%増加しました。一般労働者のボーナスは169,353円で、前年同月比7.1%増加、パートタイム労働者のボーナスは6,044円で、こちらは前年同月比15.9%と大幅に増加しています。特にパートタイム労働者に対する賞与の増加は、企業がパート労働者に対してもインセンティブを提供し、労働市場の競争力を高めようとしている動きが伺えます。

労働時間についても注目すべき変化があります。総実労働時間は全体で141.5時間となり、前年同月比で0.6%増加しました。一般労働者の総実労働時間は168.2時間で、前年同月比1.2%の増加です。これは、企業がより多くの労働時間を求めている可能性がある一方で、パートタイム労働者の労働時間は81.5時間で、前年同月比では変化がありませんでした。所定内労働時間に関しても、全体で131.4時間、一般労働者で154.6時間と、それぞれ前年同月比で0.8%、1.5%増加しています。

出勤日数に関しても、全体で18.3日と前年同月比で0.3日増加しており、特に一般労働者の出勤日数は20.2日と前年同月比で0.2日増加しています。これに対して、パートタイム労働者の出勤日数は14.0日で、前年同月比で0.2日増加しました。

常用雇用者数、すなわち正規雇用労働者とパートタイム労働者を含む雇用者数は、全体で51,092千人となり、前年同月比で1.2%増加しました。特に一般労働者は35,371千人で、前年同月比で3.2%増加しており、企業が正規雇用を積極的に進めていることが伺えます。一方で、パートタイム労働者の数は15,721千人となり、前年同月比で3.4%減少しています。これは、企業がパートタイムから正規雇用へ移行する動きや、パート労働者の需要が一時的に減少している可能性を示しています。

また、パートタイム労働者の比率は全体で30.77%となり、前年同月比で0.45ポイント上昇しました。特に、卸売業や小売業でのパートタイム労働者の比率は44.32%と高く、これらの業界では依然としてパートタイム労働者が重要な役割を果たしていることがわかります。

このように、賃金や労働時間、雇用形態に関するデータから、企業が労働市場でどのような戦略を取っているかが浮き彫りになります。特に、賃金の増加や労働時間の変化は、企業が従業員の確保と労働条件の改善に力を入れていることを示しており、パートタイム労働者に対する賞与や賃金改善の動きが見られる一方で、正規雇用への移行も進んでいます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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