2024年9月18日
労務・人事ニュース
令和6年7月の建設工事受注額、前年比62.8%増—製造業がけん引
令和6年7月の建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果(国交省)
令和6年8月30日に国土交通省総合政策局が発表した建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)の令和6年7月分の結果について、詳細な分析と解説を提供します。この調査は、建設業者の受注動向を把握し、公共機関や民間からの発注内容を業種別、工事種類別、地域別に分析することを目的としています。
令和6年7月の総受注額は1兆6,233億円に達し、前年同月比で62.8%の増加を記録しました。この増加は、特に民間工事の顕著な増加に起因しています。国内受注総額は1兆5,724億円で、こちらも前年同月比で62.7%増加しました。民間工事の増加は、特に製造業と非製造業の両方で顕著であり、製造業は前年同月比201.7%、非製造業は100.8%の増加を示しました。発注者別では、製造業、サービス業、不動産業が増加し、一方で運輸業と郵便業が減少しました。工事種類別では、建築工事が増加し、土木工事は減少しました。具体的には、工場・発電所、事務所・庁舎、宿泊施設などの増加が目立ちます。
公共工事については、前年同月比で33.5%減少し、2ヶ月連続での減少となりました。特に国の機関からの発注が大きく減少し、地方の機関も減少傾向が続いています。国の機関の減少幅は42.8%に達し、地方の機関は11.2%減少しました。公共工事の種類別では、道路や倉庫・流通施設、港湾・空港が増加した一方で、医療・福祉施設や娯楽施設の減少が顕著です。
海外工事の受注額は509億円で、前年同月比65.3%の増加を見せ、先月の減少から再び増加に転じました。このデータから、日本の建設業が国内外での需要を取り込み、特に民間セクターでの活発な動きが見られることがわかります。
また、建設関連業の動態調査結果では、測量業や建設コンサルタント業、地質調査業などの契約総額がそれぞれ増加しています。例えば、建設コンサルタント業の契約総額は前年同月比で20.4%増加し、816億円に達しました。このように、建設業全体で活発な動きが見られ、各業種での受注状況も好調に推移しています。
これらのデータは、国内の建設業が依然として堅調に推移していることを示しており、特に民間セクターの需要が高まっていることが確認できます。一方で、公共セクターにおいては一部で減少が見られるものの、全体的な影響は限定的であり、今後の経済状況次第で再び増加に転じる可能性もあります。
次回の統計報告は、令和6年9月30日に公表される予定であり、さらなる詳細なデータが提供されることが期待されます。これにより、国内外の経済動向を反映した建設業の受注状況がより明確になり、今後の業界全体の動向を見極めるための重要な指標となるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ