2024年8月31日
労務・人事ニュース
令和6年7月の熱中症搬送者数、前年同期比で6,646人増加!
令和6年7月の熱中症による救急搬送状況(総務省)
令和6年7月、全国的に猛暑が続き、多くの人々が熱中症により救急搬送されました。消防庁が発表したデータによると、7月の熱中症による救急搬送者数は43,195人に達し、これは過去の同月と比較しても非常に多い数値となっています。この数字は、7月の調査が開始された平成20年以降で2番目に多い搬送者数であり、特に高齢者が全体の約59%を占めるなど、年齢層別に大きな違いが見られました。
搬送された人々の多くは軽症で、64%が外来診療で済んでいますが、中等症の患者も約33%存在し、重症者は2.6%にのぼりました。さらに、死亡者も62人確認されており、熱中症がいかに深刻な問題であるかが浮き彫りになっています。
熱中症の発生場所を見ると、住居内での発生が最も多く、全体の約41%を占めました。次いで道路での発生が約19%、公衆(屋外)での発生が約12%と続いています。また、仕事場での発生も9.7%と無視できない割合を占めています。特に、屋外で働く人々にとっては、熱中症対策が重要であることが明らかです。
消防庁は、熱中症は予防可能なものであり、適切な対策を講じることでそのリスクを大幅に減らせると強調しています。具体的な対策としては、エアコンや扇風機の積極的な使用、水分補給の徹底、帽子の着用などが推奨されています。また、特に高齢者や子どもは熱中症になりやすいため、周囲の大人が注意深く見守ることが求められます。
消防庁では、熱中症予防のための啓発コンテンツを公開しており、これには「予防啓発動画」や「予防啓発ポスター」などが含まれています。これらは、全国の消防機関や関係機関でも活用されており、広く一般にも周知されています。
7月の熱中症による救急搬送者数がこれほど多かった背景には、気温の上昇や湿度の高さが影響していると考えられます。また、高齢者が多く搬送されていることから、今後さらに効果的な予防策の普及が求められます。
このような状況を踏まえ、企業や自治体においても熱中症対策が急務となっています。特に、労働環境における熱中症対策の強化や、住居内での高齢者の安全対策が重要です。企業は従業員の健康管理を徹底し、必要な設備や環境を整備することが求められます。
例えば、屋外で作業を行う現場では、こまめな休憩や十分な水分補給が欠かせません。また、室内でもエアコンを適切に使用し、室温の管理を徹底することが必要です。さらに、熱中症のリスクを低減するために、企業は従業員に対して熱中症に関する教育を行い、予防策を周知徹底させるべきです。
最後に、消防庁が発表したデータは、今後の熱中症対策に大いに役立つものであり、これを活用して企業や自治体がより効果的な対策を講じることが期待されます。特に、高齢者や子どもといった弱者を守るために、社会全体で熱中症対策を強化していく必要があります。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ