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2024年10月17日

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令和6年8月の賃金調査で判明!名目賃金3%増加、パート労働者の時給も4.8%上昇

毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報(厚労省)

令和6年8月の毎月勤労統計調査の速報が発表されました。この調査は、労働者の賃金や労働時間などのデータを毎月収集し、景気や労働市場の動向を把握するための重要な指標となっています。今回の調査では、特に賃金の上昇や労働市場の変化が注目されており、企業の人事担当者にとっても重要な情報となるでしょう。まず、全労働者を対象とした現金給与総額は、前年同月比で3.0%増加し、296,588円となりました。これは32か月連続でプラスの傾向を示しており、労働者の所得が安定して上昇していることを示しています。きまって支給される給与、つまり基本給や手当など定期的に支払われる部分も3.0%増加し、283,637円となりました。この伸び率は32年4か月ぶりの高水準であり、賃金の上昇傾向が顕著であることを裏付けています。

さらに、所定内給与も同様に3.0%増加し、264,038円となりました。所定内給与とは、労働者が定められた時間内で働くことに対して支払われる給与を指し、この部分の増加は企業が労働者の基本的な労働に対する報酬を引き上げていることを示しています。また、特別に支払われた給与、すなわち賞与や一時金も2.7%増加し、12,951円に達しました。このように、全体的な給与の増加傾向が続いており、特に企業が労働者に対する報酬を強化していることが明らかになっています。

次に、一般労働者に焦点を当てると、現金給与総額は377,861円となり、前年同月比で2.7%増加しました。これにより、41か月連続でプラスの傾向が続いています。所定内給与は333,182円で、2.9%増加しており、こちらも過去最高の伸びを記録しました。これらのデータは、特にフルタイムで働く労働者に対して企業が積極的に給与を引き上げていることを示唆しており、今後もこの傾向が続く可能性があります。

一方、パートタイム労働者の賃金も増加しており、時間当たりの所定内給与は1,363円で、前年同月比4.8%の増加となりました。これにより、38か月連続でプラスの結果が続いています。パートタイム労働者の賃金増加は、特に人手不足が深刻な業界での採用競争が激化していることを反映していると考えられます。企業が優秀な人材を確保するために、パートタイム労働者に対しても給与を引き上げる動きが進んでいることがうかがえます。

しかしながら、実質賃金指数は前年同月比で0.6%減少し、84.1となりました。これは消費者物価指数の上昇が影響しているためで、特に生活必需品の価格が上昇する中で、労働者の購買力が低下していることを示しています。今回のデータでは、消費者物価指数が前年同月比で3.5%上昇しており、これが実質賃金のマイナスに影響を与えた要因と考えられます。このように、名目賃金は増加しているものの、物価上昇の影響を受けて実質的な賃金は減少しているため、企業は労働者の生活コストを考慮した報酬体系の見直しが求められる状況です。

企業の採用担当者にとって、このような賃金データは、労働市場の動向を理解する上で非常に重要です。賃金の上昇傾向が続いている一方で、実質賃金の減少が見られるため、優秀な人材を確保するためには、単に給与を引き上げるだけでなく、福利厚生や働き方改革などを含めた総合的な報酬戦略が必要となるでしょう。また、パートタイム労働者の賃金増加も見逃せないポイントであり、特に柔軟な働き方を提供することで、幅広い人材層にアピールすることが求められています。

今回の調査結果は、企業が労働者に対する報酬を引き上げる動きが続いていることを示しており、特にフルタイムの一般労働者に対する賃金の伸びが顕著です。パートタイム労働者に対する賃金の増加も含め、全体的に給与の上昇傾向が見られる一方で、物価上昇による実質賃金の減少が課題として浮上しています。今後、企業が持続的に人材を確保し、競争力を維持するためには、賃金だけでなく、働きやすい環境やキャリアアップの機会を提供することがますます重要になるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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