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2024年11月6日

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令和6年8月結果確報 労働市場動向 5100万人超の労働者総数と30%を超えるパートタイム比率

毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果確報 第3表 常用雇用及び労働異動率(厚労省)

令和6年8月の確報によれば、全産業における常用雇用の状況は様々な形で変化しており、特にパートタイム労働者の割合や、入職・離職率がその変動を示しています。調査によると、総労働者数は約5100万人に達し、前年と比べてわずかな増加が見られます。これに伴い、パートタイム労働者の比率は1.2%となり、前年から30.82%と高い割合を示しています。特に、鉱業や建設業などの産業においては、パートタイム労働者の比率が顕著に増加しており、これらの業界ではフレキシブルな労働形態が増加していることがわかります。

一方で、入職率や離職率に関しても注目すべき動向があります。総労働者数の中で、入職率は1.61%、前年から0.48ポイントの増加を示しました。これに対して離職率は1.72%で、前年よりも0.09ポイントの減少が見られました。これは、全体として労働市場の安定化を示唆しており、特に製造業やサービス業などでの雇用維持が進んでいることを示しています。例えば、鉱業・採石業では入職率が1.19%、離職率が1.45%となっており、これらの業界では労働者の定着率が比較的低いことが見て取れます。一方で、建設業では入職率が0.98%、離職率が0.91%と、やや安定した雇用状況が維持されています。

さらに詳細に見ると、各産業によって雇用の状況は大きく異なり、特にパートタイム労働者の比率に顕著な違いがあります。調査産業全体では30.82%の労働者がパートタイムとして働いており、前年からの変化も0.48ポイントと増加傾向にあります。特に鉱業、採石業などでは、パートタイム労働者の比率が2.35%、前年よりも大幅に増加しています。これに対して、建設業では5.92%の労働者がパートタイムとして働いており、前年からの変化もやや減少しています。これらのデータからわかるように、産業ごとにパートタイム労働者の比率やその変動は大きく異なり、それぞれの業界特有の事情が反映されていると言えるでしょう。

企業の採用担当者にとって、これらのデータは非常に重要です。労働市場の動向を把握することで、今後の採用計画や人材確保の戦略を立てる際に役立ちます。特に、パートタイム労働者の比率が増加している業界では、フルタイムの労働者を確保するための工夫が必要になるかもしれません。一方で、入職率と離職率のバランスを保ちながら、安定した雇用環境を整備することも重要です。これにより、企業は優秀な人材を長期的に確保し、業績の向上を図ることができます。

また、企業は産業ごとの労働者の動向に応じて柔軟な採用計画を立てる必要があります。例えば、鉱業や採石業では離職率が高いため、定着率を向上させるための施策が急務です。一方で、建設業やサービス業では比較的安定した雇用状況が続いているため、これらの業界ではさらなる人材育成やスキルアップの機会を提供することで、競争力を高めることが求められます。

これらの統計から導き出される示唆は、企業の採用担当者にとって非常に有益です。採用活動を行う際には、業界ごとの労働市場の動向を踏まえた上で、最適な人材確保戦略を立案することが重要です。特に、パートタイム労働者の増加傾向が続く中で、企業は多様な労働形態に対応できる柔軟な制度を導入する必要があります。また、入職率と離職率のバランスを保ちながら、長期的に企業に貢献できる人材を見極めることが、今後の経営の安定につながります。

最後に、これらのデータから浮かび上がる重要なポイントは、企業が持続的な成長を実現するためには、労働市場の変化に迅速に対応しなければならないということです。パートタイム労働者の比率が高まる中で、企業は労働者の多様なニーズに対応し、魅力的な労働環境を提供することが求められています。これにより、労働者の定着率を高め、企業の競争力を維持することが可能となるでしょう。

製造業から小売業まで 業界別労働市場動向とパートタイム労働者44%の実態

製造業、電気・ガス業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業といった産業の雇用動向についても重要なデータが示されています。これらの業界における常用雇用の状況は、それぞれ異なる特徴を持っています。

まず、製造業では労働者総数が767万人で、パートタイム労働者の比率は12.79%となっています。前年と比べて0.1%減少していますが、全体としては一定の安定性を保っていると言えるでしょう。入職率は0.73%、離職率は0.96%で、前年よりも0.09ポイントの減少が見られます。製造業では、パートタイム労働者の比率が他産業に比べて低めですが、雇用環境は比較的安定しています。

次に、電気・ガス業に目を向けると、労働者総数は26.4万人で、パートタイム労働者の比率は4.78%、前年より0.8ポイント減少しています。入職率は0.77%、離職率は1.05%となっており、前年と比べて離職率の減少が目立ちます。この産業では、安定した雇用が維持されており、労働者の定着率が高いことが示されています。

情報通信業では、労働者総数が187.5万人で、パートタイム労働者の比率は5.88%、前年から1.6ポイント増加しています。入職率は1.06%、離職率は1.09%で、前年と比べて離職率が減少し、安定した雇用環境が続いています。この産業では特にパートタイム労働者の増加が顕著で、企業はフルタイム労働者とパートタイム労働者のバランスを考慮した採用計画を立てる必要があります。

運輸業・郵便業では、労働者総数が295.7万人、パートタイム労働者の比率は15.49%で、前年から0.8ポイント減少しています。入職率は1.15%、離職率は1.58%で、前年と比べて0.26ポイントの増加が見られます。特に離職率が高くなっているため、労働者の定着に向けた施策が求められる状況です。パートタイム労働者の比率も高めであり、この産業では労働者の柔軟な働き方を支援する仕組みが重要となるでしょう。

最後に、卸売業・小売業については、労働者総数が933.6万人、パートタイム労働者の比率は44.32%で、前年と比べて2%の増加が見られます。入職率は1.68%、離職率は1.63%で、前年と比べてやや高めの離職率が示されています。卸売業・小売業では、パートタイム労働者の割合が極めて高く、企業は柔軟な労働条件を提供することで、離職率の低減を図る必要があります。

これらの産業別の雇用動向を踏まえると、企業はそれぞれの業界特有の状況に応じた採用戦略を立てることが求められます。パートタイム労働者の増加が顕著な産業では、フルタイム労働者とのバランスを取ることが重要であり、また離職率の高い産業では労働者の定着率を高めるための施策が急務です。これにより、各企業は競争力を維持し、長期的な成長を実現することができます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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