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2024年10月11日

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令和6年8月 京都府内の新規求人数4.9%減少も正社員求人倍率は0.95倍に上昇

京都府内の雇用失業情勢(令和6年8月分)(京都労働局)

京都府内における令和6年8月時点の雇用状況は、全体的に安定しているものの、若干の変動が見られました。まず、有効求人倍率は1.21倍で、前月と比べ0.01ポイント上昇しています。これは、求人数が微増し、求職者数が減少したことによるものです。具体的には、京都府内の有効求人数は53,579人と前月比で0.3%増加し、一方で有効求職者数は44,238人で0.7%減少しました。この数字から、京都府内の雇用市場では一定の求人が存在しつつも、求職者数が減少していることがわかります。

新規求人に関しては、新規求人倍率が2.51倍となり、前月比で0.18ポイント低下しました。新規求人数は19,130人で、前月より4.9%減少していますが、新規求職者数は7,611人で1.9%増加しました。これは、新規求人が減少する一方で、新たに求職活動を始める人が増えていることを示しています。

正社員に関する求人状況も注目すべきポイントです。令和6年8月時点で、正社員の有効求人倍率は0.95倍で、前年同月より0.01ポイント上昇しました。正社員の有効求人数は23,224人、有効求職者数は24,444人となっており、求職者に対する求人の割合は依然として低い水準にあります。特に、正社員を希望する求職者の55.5%が有効求職者全体の中で占める割合であるため、正社員求人市場はまだ供給が追いついていない状況が続いています。

また、京都府全体の雇用保険適用事業所数は47,994件で、前年同月比0.6%増加しました。これに伴い、被保険者数も771,686人と前年同月比で0.1%の微増となっています。これに対して、雇用保険の受給資格決定件数は2,101件で前年同月比5.3%減少、受給者実人員も9,731人で6.0%の減少が見られました。これらの指標から、雇用保険の利用者数は減少傾向にあり、失業者の状況が少しずつ改善していることが伺えます。

雇用保険の基本受給率は1.25%で、前年同月比で0.08ポイント低下しました。また、職業紹介件数も減少し、令和6年8月には5,662件で前年同月比16.4%の減少となりました。就職件数も1,687件で同6.6%減少していますが、就職率は24.0%で前年同月比0.6ポイント上昇しており、求職者の就職成功率はやや改善していることがわかります。

地域別に見ても、雇用の動向には地域差が存在します。例えば、京都市内の主要なハローワークエリアである西陣や七条では、有効求人倍率が1.08倍から1.32倍の範囲で推移しており、比較的安定しています。しかし、南部の田辺や宇治などでは、倍率がやや低く、田辺では0.81倍となっており、雇用状況にやや厳しい地域があることが伺えます。対照的に、福知山や舞鶴などの北部地域では、1.44倍から1.60倍と、全国平均を上回る倍率を記録しており、特に産業が集積する北部地域での求人需要が高まっていることが見て取れます。

さらに、業種別に見ると、製造業においては、前年同月比で9.0%減少しており、特に食料品、電子部品、情報通信機械などで減少が目立ちます。一方で、医療・福祉分野では、前年同月比で増加しており、今後も人材需要が高まることが予想されます。また、生活関連サービス業や情報通信業も堅調に推移しており、これらの業種では引き続き人手不足が続いている状況です。

京都府の雇用情勢を総合的に見ると、全体としては安定した動きが見られるものの、業種や地域によっては求人と求職者のミスマッチが存在することがわかります。特に、正社員求人の倍率が低いことから、正規雇用を希望する人々にとっては依然として厳しい状況が続いていると言えます。今後、地域ごとの産業特性に応じた対策が求められるでしょう。

⇒ 詳しくは京都労働局のWEBサイトへ

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