2024年10月9日
労務・人事ニュース
令和6年8月 北海道の高卒求人倍率2.97倍!令和7年3月卒業生の求人数は16,614件に増加
令和7年3月新規高等学校卒業者の求人・求職状況(8月末現在)(北海道労働局)
令和7年3月に新規高等学校を卒業予定の北海道内の生徒に関する求人と求職の状況が、令和6年8月末時点で発表されました。全体的な道内の求人倍率は2.97倍とされ、前年同月に比べ0.14ポイント低下しましたが、それでも高い水準を維持しています。求職者数は5,587人で、前年よりも4.5%増加しており、男子の求職者が3,252人と8.1%増加した一方で、女子は2,335人でわずかに0.1%の減少となりました。
求人件数は全道で16,614件に達し、前年同月と比べて0.1%の微増です。特に建設業が最も多く、3,967件の求人がありましたが、前年より65件減少しました。その他、卸売・小売業が3,124件(前年より109件増加)、製造業が2,486件(前年より177件減少)という結果が出ています。また、産業別では12産業中6産業で前年を上回る求人が見られ、経済の動向が反映された結果となっています。
地域別に見ると、札幌圏が6,517件で最も多く、帯広(1,399件)、旭川(1,317件)がそれに続きます。特に札幌圏では前年より3.9%増加しており、道内20地域のうち8地域で前年を上回る求人が見られました。室蘭では13.5%、根室では8.0%の増加が報告され、地域ごとの求人状況にはばらつきがあることが確認されました。
求人倍率は2.97倍で、前年同月より0.14ポイント低下したものの、依然として高い倍率を維持しています。地域別に見ると、札幌圏では4.25倍、函館で1.84倍、旭川で2.73倍、帯広では2.75倍と、地域によって倍率に大きな差があることがわかります。稚内では特に高く、8.33倍に達しており、他の地域に比べて求人が少ないことが影響している可能性があります。
求職者と求人の動向に関しては、年々変化が見られます。例えば、令和7年3月卒業予定の生徒数は45,128人で、前年の42,874人に比べ5.3%増加しています。しかし、求職者数は前年よりもわずかに増加しているものの、道内の求人件数は安定しており、求職者と求人のバランスが保たれています。これにより、道内の雇用状況は全体的に安定していると考えられますが、一部の地域や産業では求人不足や求職者の減少が問題となる可能性も指摘されています。
新規学卒者に対する企業の採用動向については、各地域での取り組みが重要です。ハローワークでは、新規高卒者に対する求人の受付を6月1日から開始し、7月1日以降は「高卒就職情報WEB提供サービス」を通じて各学校に求人情報を提供しています。また、企業説明会や就職面接会、職場見学の機会も積極的に設けられており、求職者が自身に合った職業を見つけるための支援が行われています。
さらに、道内の経済団体とも連携して、各事業所に対して新卒者の採用枠拡大を要請し、求人の開拓も進めています。特に、建設業や製造業といった産業では、今後も求人が見込まれており、これらの業界では引き続き高い求人倍率が予想されます。一方、サービス業や小売業などでは、企業規模に応じて求人の増減が見られるため、今後の動向に注目が集まっています。
企業の採用担当者にとって、今後の新卒採用戦略を検討する際には、こうした求人倍率や地域別の動向を参考にすることが重要です。特に、道内全体では求人倍率が高い水準を保っている一方で、地域や業種によっては採用競争が激化しているところもあります。これに対処するためには、求人の内容や待遇条件を工夫し、求職者に対して魅力的な職場環境を提供することが求められます。また、職業講話や企業説明会などの機会を活用し、積極的に自社の魅力をアピールすることも重要です。
道内の新規高卒者にとっても、今後の就職活動においては、こうした求人倍率や地域別の求人数を把握し、自分に合った職場を選ぶことが求められます。企業が提供する職場見学や就職面接会の機会を積極的に活用し、自分の希望に合った職場を見つけるための努力が必要です。また、将来的なキャリア形成を視野に入れた進路選択を行うことが、長期的なキャリアの成功に繋がるでしょう。
このように、令和7年3月卒業予定の新規高等学校卒業者に関する求人・求職の状況は、全体的には安定しているものの、地域や産業ごとに異なる傾向が見られます。今後も企業や求職者双方が、こうした動向をしっかりと把握し、適切な採用活動や就職活動を行うことが重要です。
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ